24歳看護師の過労死認定=
人員不足、宿直明けに倒れる
-残業月百時間・三田労基署
東京都済生会中央病院(東京都港区)で
昨年5月、宿直明けに意識不明になり、
死亡した看護師ATさん=当時(24)=
について、三田労働基準監督署(同区)が
過労死として労災認定していたことが17日、
分かった。認定は9日付。
代理人の川人博弁護士によると、ATさん
は2006年4月から同病院に勤務。
昨年5月28日午前7時半ごろ、手術室の中で
ストレッチャーに突っ伏しているのを同僚が
発見。
同日夕、死亡した。持病はなく、死因は
致死性不整脈とみられるという。
TAさんが働く手術室はもともと26人態勢だ
が、昨年3月末には18人になった。新人が
補充されたが人員不足の状態は続き、
TAさんは4月から5月にかけ、25時間拘束の
宿直勤務を8回こなしたほか、土日に働くこ
ともあり、残業は月約100時間だった。
【コメント】
あなたの会社は大丈夫ですか?
人事だと思わないで下さい
労働安全衛生法の事業主の健康管理責任に
法定労働時間を超えて月100時間以上または
複数月に渡って80時間を超える労働者が
健康上の不安を訴えた場合、事業主はその
労働者を医師の診断を受けさせなければなら
ない。という条文があります。
例え、労働者が健康の不安を訴えなかったと
しても、労働時間が長時間に渡り、労働安全
衛生法の基準を超える場合には、労災になる
可能性が大変大きくなります。
今回の場合弁護士が、付いているので労災の
認定が下ったとすると、次は民事訴訟に焦点が
移ることになります。
今回のケースは病院でも港区ではかなりの大手
の病院であり、支払能力や無くなったATさんが
24歳と将来有望な方であったことを勘案すると、
1億円以上の損害賠償額になり、判決でも1億を
超える賠償額が言い渡される可能性が大です。
【社会の歪み】
日本の医療機関は現在、崩壊に危機にあります。
病院側もけっして金儲け主義だけで、労働者を増や
さない訳ではありません。
特に産婦人科、外科については、医療従事者不足
は必死です。
これを、解消するには政府の本格的な介入が不可欠
になります。
一刻も早く、医療従事者が安心に働ける環境の整備
が必要になります。
医療業務従事者は、各科によって専門性が要求さ
れます。
但し、産科・外科はインターンの間は必須の研修科目
にするべきだと思います。
特定社会保険労務士 大友 務