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山王アニマルクリニック

日々の診療、いろんな本や音楽などについて思い巡らしながら、潤いと温もりのバランスを取ってゆこうと思います。

 

最近じっくり音楽を聴く時間がないのですが、時を顧みると危ない時代には、時にさりげなく、時に大胆に素晴らしいアートが生まれているのでしょう。

 

前作はカヴァー・アルバムだったためミシェル的にはキャッチ―な曲も多かったですね。今作はジャズ名門レーベルであるブルーノートに移籍とのことで、キャッチ―な曲は少ない感じです。

 

でも…人を集めてなんぼなミュージシャンには深刻な新型コロナ、 Make Me Wanna Hollerと歌いつつマーヴィン・ゲイのように叫べないもつれをもたらした両親の死…を経て、Good Day Badと歌っていたミシェルが、ようやくGood Goodと歌えるようになったんですね!

コロナ禍ロックダウンPC画面生活に疲れていたとき、日本の鈴木楽器製作所が作ったオムニコードなる電子楽器をいじっていたら着想が得られたとのこと――ネットにつながらないで音楽に集中できたのがよかったようです(Rolling Stone Japan)。

 

ジェフ・パーカージョエル・ロスブランディ・ヤンガーなどゲストも魅力的ですが、個人的には、仏教的なことを歌っているというBurn Progressionからプリミティブであっても新鮮に響くVumaへの流れが好きですね。

 

このアルバムなんと先月グラミー賞を受賞しました!!

 

多様性という言葉が空回りしがちな昨今、アーティストの中で最も多様性を体現してきたミシェルが受賞したことはうれしいです!

 

反面、10回もノミネートはされていたので今更かという感情も湧き上がり、そんなグラミー賞だから注目もしておらず、これを書いている過程で受賞を知る、という遅れぶりとなりました。

2021年にもロバート・グラスパーとH.E.R.ことガブリエラ・ウィルソンと共作のこの曲でグラミー賞を受賞していたんですね。

 

ジョージ・フロイド事件を発端として広がったBLM運動から生まれた曲らしく、怒りを超えた静かな諦念のようなサウンドが想像力を深く刺激します。

フィリピン人の母とアフリカ系アメリカ人の父との間に生まれ、多様性を体現する新世代であろうH.E.R.も身体に響くいい声です!

 

彼女はこの曲のエンディングのように自分でギターなども演奏し、従来のR&Bの枠組みを飛び越えてますね。

 

R&B系のミュージシャンが興味本位でロック的なことをやってもハマらないことが多いのですが…ミシェルたちと共演するのも納得のタレントです。

インタビューを読むとブルーノートに移籍したからジャズ寄りになるということでもないようですが、この曲がとても好きなのでついでにアップします――ベース・プレイに集中したインストだけのアルバムも聴きたいですね!

 

(なんとサン・ラにインスパイアされた新作が4月に発売とのことですが、ブルーノートから出るわけではない?!)

 

この曲は危ない時代である今だからこそ、より多くの混乱した心に響いてくれるように思うのです。

 

2005年に発表されたこの曲などもグラミー賞を取るべきだったのではないでしょうか?

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