まあまあ混んでいる電車。
僕は吊革に掴まって立っていた。
目の前は横7人掛けのシート。
僕の斜め前に座っている青年。
眼鏡をかけている。
俯き加減でコクリコクリしているので
寝ているようだ。
他人の容姿をどうこう言うのは
良くない事ではあるけれど
彼は結構よい体格をしている。
というか
まあまあ太っている。
よく見ると
尋常じゃない量の汗をかいている。
頬、首筋、腕…
汗が玉になって浮かびあがり
そしてツーっと皮膚を伝って流れていく。
気持ち良さげに寝ているので
具合が悪い冷や汗ではなくて
きっと暑いんだろう。
とある駅に着いた。
彼が降りるタイミングだったようで
ハッと目を覚まし顔を上げた。
ここで目を疑うような奇跡が
電車内で起きた。
…
…
彼はどれくらいの時間
寝ていたのであろうか。
おそらく
その間、おでこを伝った汗が
眉毛から滴って垂れたのだろう。
それが眼鏡に貯まった。
こんな感じにね
顔を上げた瞬間
眼鏡に貯まっていた水(汗)がこぼれ落ちた。
結構な量でザーーっと。
…
…
滝だ!!
東京砂漠に滝が!!
あの瞬間
マイナスイオンは出てただろうか。
青年のジーパンがこぼれた水(汗)で
少し濡れてしまっていたが
ある意味、ヒーリングスポットだな。


