うちの婆は週二で、老人ホームに通っている。
新入りの婆に、息子やら孫の自慢をされたらしい。
1流大学を卒業して、超大手企業に就職した等の話である。
婆はその自慢を聞いて、腹立たしく思ったようだ。
自慢ばかりして、嫌な人だとも思ったようだ。
その話を聞くと、いつも私は思うことがある。
私が中学生の頃は、今ほどは大学進学率は高くない。
だからうちの婆は、商業高校や工業高校に進学して地元に就職してくれるのが親孝行と思っていた。
商業高校から地元の銀行に就職したら、大出世である。
明確に「進学校に行ってはいけない」とは言わないものの、雰囲気が明らかに物語っていた。
「普通科の高校には行くなよ」と。
それを受け、私の進学希望は職業高校。
中学の担任も適性など見抜けず、希望通り話を進める。
その結果、進学校には行けなかった。
つまり婆自ら、息子の可能性を潰したのである。
普通科に行けば、早慶など私立文系の大学には合格しただろう。
超大手企業に行けるかどうかは分からぬが。
それに一生学歴コンプに悩むことも無かっただろう。
まぁ仮定の話ではあるが。
なので、婆が人の自慢話が嫌いなように、私は婆の話も嫌いである。
そんな婆も、92歳。
昔よりは、私も婆の話に付き合うようになった。
いつ天に召されるか分からないからね。