私は、以前中学校の教員だった。


適性がないのが分かったので退職し、今は別の仕事についている。


そんな私が、どうしても教員になりたかった頃の話である。


普通、教員になりたい人は、地元の県と出身大学の所在地の県の教員採用試験を受けるのだろう。


その当時、私はどうしても教員になりたいと思っていた。


大学を卒業し、講師を1年やった次の年のことである。


講師を続けながらでは勉強に専念できない、という気持ちを持っていた。


なので、背水の陣を敷いて、これでダメなら教員は諦めて、別の道を探そうと思ったのである。


そこで、その年は東日本の5つの県(実際には、北海道と4つの県)の教員採用試験を受けた。


北海道、福島県、新潟県、三重県、それと地元である。


何故それらを選んだかというと、教員採用試験の日時が異なっていた、という理由である。


地元以外は、あまり理由がない。


ほかにも、西日本の県でも日程の異なるところもあったが、金もかかるし止めておいた。


福島県は、どこかの女子高で試験を受けた。


福島のみ、一次試験で不合格となった。


あとの4県は、2次試験まで行ったのである。


北海道へも2度行った。


札幌はあまりの大都市で、面食らったことを覚えている。


北海道では、内田クレペリン検査の時に、鼻水が大量に出て作業を度々中断してしまった。


あれが敗因かな、と思っている。


三重に行く途中では、ふと「俺はなぜ、こんなところにいるんだろう」と疑問に思ったこともあった。


三重は縁もゆかりもない土地である。


結果的に、地元ともうひとつの県の採用試験に合格した。


地元に落ち、別の県に行っていたらどうなっていたのだろう?と想像することもある。


人生は面白いものである。


その後、転機があって転職するとは、その時は夢にも思わなかった。