1940年2月29日生まれ。享年71歳とのことだった。
・・また一人、好きな俳優が旅立ってしまわれた。
映画「反逆のメロディー」(1970年日活)
長髪にジーンズ、デニムジャケットにレイバンのサングラス。
ワイルドな風貌。
それまでのアウトローのイメージを一新させた功績は大きい。
大体当時のヤクザ映画とか、みんな角刈りだったり、
アイビーっぽいルックスが多かった。それはそれでカッコイイが
そんな中、まるで当時のアメリカン・ニューシネマの主人公のような
土煙舞うような埃っぽさ漂う野性的な主人公が現れた。
日活ニューアクション路線のアクの強い個性派達の中でも
そのカッコよさは際立っていた。

他にもまだある。
映画「新宿アウトロー”ぶっ飛ばせ!!”」(1970年日活)
短髪にアイビーっぽいルックスの渡哲也演じるアウトロー「死神」
和製イージーライダーなルックスの原田芳雄演じるアウトロー「ナオ」
フリンジのついたスエードのジャケットにジーンズといういでたち、
軍用ジープを操り、颯爽と登場した。
この二人に梶芽衣子が華を添えている。この3人の絡みがスキだ。
成田三樹夫演じる殺し屋「サソリ」、
地井武男演じるヘリのパイロット「カモメ」、
全員皮ジャンでキメたバイクチームのリーダーに沖雅也と、
脇を固める出演陣も個性派ぞろいだった。

翌年には「野良猫ロック」シリーズ最終作となる第5弾
映画「野良猫ロック”暴走集団'71”」(1971年日活)でも主演
モップス"御意見無用"もサイコーだ!!
原田芳雄さんと言えば、松田優作さんが憧れた俳優としても有名だ。
まずあのファッションというか風貌、その立ち振る舞いなど
その影響力は大きい。やさしいアニキ分だ
まだジーパン刑事を演じてから間もない頃、「竜馬暗殺」で
その憧れの俳優との共演を実現させている。
※映画「竜馬暗殺」(1974年ATG、映画同人社提携)
その後、映画「ツィゴイネルワイゼン」(1980年ATG)では
鈴木清順監督の元、大正の時代を切り取り、独特の美意識で彩った、
そのロマン溢れる作風で当時の数々の映画賞を総ナメにした。
※これは鈴木清順の「大正ロマン3部作」の一作目となる作品で
続く2作目「陽炎座」(1981年ATG)では松田優作さんが主演している。
あと、個人的に印象深いのは1983年に放映されたTVドラマで
「夏に恋する女たち」ってのがあって、田村正和と名取裕子が主演の
ドラマなんだけど、ここでの原田芳雄さんの役どころが魅力的で
その大雑把ながらなんとも男クサイ感じが主演のナイーブさと
巧く調和して掛け合いが楽しいドラマだった。原田芳雄さん演じる
人物と意気投合する美保純も、当時まだポルノ女優あがりで
危険な雰囲気を漂わせていた。これ面白かったなぁ。
オレまだガキだったけど覚えてるよ。あの空気。
強烈に「オトナ」を感じたんだよ。オシャレなオトナの世界。
主題歌も良かったな~
・・1989年に松田優作さんがお亡くなりになった時も
その追悼の場で悲しみに暮れる原田さんがとても印象的で
本当に仲がよかったんだなぁと胸が熱くなった。平成元年の事だ。
年末恒例のニューイヤーロックフェスでは御自身もステージに立ち、
ブルース魂あふれる渋い唄声も披露なさっていたが、
息子さんの原田喧太さんもギタリストとして、いつの間にか
同じステージに立ち、素晴らしい音を届けてくれてもいた。
オレ的に息子さんと歳が近い事と
あと原田芳雄さんとは誕生日が一緒なので
すごく親しみありました。
近年では鉄道好きでタモリさんとも親しかったらしく
その飾らない人柄も偲ばれます。
結構前のCMですが原田さんが野球選手に扮したCMが大好きでした
・・CMといえばこの3人のCMも。
かっこよすぎます。
先日、ヨメが言ってたんです。
「K の好きなあの俳優さん、
久しぶりにTVで見たけど、すごく痩せてやつれてたよ。」と。
そんな事を教えてもらった矢先でした。
・・原田芳雄さんの映画、また繰り返し観たいと思います。
あんなカッコイイ人もういません。
謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
R.I.P.
