
結局、終わってしまったのが、
足を運ぶ価値が多いにある展覧会だった。
戦後、新しい日本画のありかたが叫ばれる日本美術界において、
加山氏はひたすら「日本画とはなにか」「これからの日本画とは」と
模索し続けてきたという。
初期の厳しい自然を生き抜く野生動物達を描くは、
自らの立場に重ね合わせたのか。
日本画界に新風を吹き込み駆け抜けた男
加山又造。
装飾的な美しさは琳派と関連しているとも言われるが、
むしろそのような事はどうでも良い。
気になったものを簡単に・・・・
動物たちシリーズではキュビズムの影響がよく見られる。
そこに単に動物がいるだけではなく、
精神的なものと物質的なものの重なりが
具現化されているかのようだ。
●月と縞馬
見たかった。
おおお。

●冬(カラス)
盲目のカラスが描かれており、
枯れ木の中にうなだれるその姿はひどく孤独だ。
またか羽色にうっすらと含まれた青がきりっとさえ美しい。
美しくも、孤独なのだ。

●寒林群鴉
叙情的であり、夕暮れに群がるどこかの空を思う。
金箔の下からのぞく赤がなんとも言えずよい。
●キリン
グラフィカルにも感じられ、そのキュビックな形が興味深い。
動物園にいるキリンも加山氏自身の投影か。
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●奥入瀬
もう。これは。なんとも言えず、たちすくむ。
ただ震えた。
金・白・緑・青・茶の色のバランス。
右側のシダが茂り木が立ち並ぶ上流の表現には
突き刺されてしまう。
黄土色の土の上に重なり合う金色のシダ
その黄土がちらりと見える色のコントラスト。
そして、それらは下流左手の水の白、岩の青と緑の絶妙に
引き合っているように思った。
左なくして右でなし。
もう。ごく個人的に理屈抜きでしびれてしまった1枚。
このような絶妙な色の感覚というものは本当に原画でしか分からない。
ひとたび印刷になってしまえば・・・・・である。
とにかく素晴らしいの一言。
(さて出るかなと思っても、忘れがたく3度も観に戻ってしまった。)
※個人蔵らしく、次みれるのはいつだろうか。。
●春秋波濤
華やかであり、
波濤は遠くを大きく、近くを小さく描く事により不思議な空間を作り出しているそう。
宇宙的な空間を感じずにはいられない。
これも思わず息を飲む。

●天の河
宇宙そのものか。
屏風でもなく、イメージでもなく。
これは宇宙の景色だと思う。
ゆったりとした流れと面が美しい。
好きな1枚
●千羽鶴
展示期間が終了しておりみれなかった。
見たかった。
●牡丹
どことなく、艶かしさを感じた。
黒いボタンが毒々しくも魅惑的である。
上部に花がまとまっている構図も好みだ。
好きな1枚
●月と秋草
可憐でかわいらしい草花達が金の上に描かれている。
ポエティックでもあり夢が広がる1枚
武蔵野図六曲一双の秋草屏風に刺激を受けて構想した作品のひとつだとか。
●鶴飛来
水墨画シリーズは、コントラストがはっきりしており、
クールな印象。鶴を下からながめ、しぶきが飛び散る様は迫力がある。
その他、加山氏は様々な分野にチャレンジしている。
(陶器、着物、装飾品、車)
中でも着物の絵柄に惹かれた。
という事で至福の展覧会☆
生で刺激された感性が
ぎんぎんと高揚し、帰り道のなんと気分の良い事☆
「加山又造展」は東京展終了後、高松市美術館へ巡回事☆
お近くのかたは是非☆