本当の自分なんて、なんなのかなんて知らない。
今の自分自身がなんなのかだってわからなないよ。

絵を描いていると思うよ。
考えてなんて描きたくないって。
下書きや構図なんて考えずに、
適当な絵具を手に。
さらさらと、ぐちょっと、べちゃっと。
思わず筆より先に手が出てそのままべったりやるんだ。
絵の具の香りが鼻先につく、紙をこする指が妙に気持ち良くて。
今度は墨汁に手を付けて広げる。
墨の香はまだ小学校の習字の風景を思ってしまう。

何を描いているかなんて知らない。
無意識に適当に腕を動かす。
どこかが妙に高揚しているのを確かに感じる。
べつになんにでもなくて良いよ。
脳みそで認識できる事を描きたいわけじゃないんだ。
これは、誰かに対するイラストレーションではなくて、
私が私を探るもの。
私が私の知らない私に出会うイラストレーションなんだ。


自分の事を知っているなんて
とんだ思い上がりだよ。


そうやって、私は私に肩をポンとたたかれたんだ。