なきねこちゃん
なきねこちゃん

道路の曲がり角、
毎日夕方になると排水溝の流れる水をずっとみている
まだら色のねこちゃん。

いつの間にか顔見知りになり、
私もずうっと隣に座って流れる排水をみる。
そのうちに私の顔を見るとにゃあ~と鳴く。
だから私はなきねこちゃんと呼んだ。

「なきねこちゃん」
「にゃあ~」

暗くなると私は家に帰る。
なきねこちゃんはずっと動かない。

まいにち。まいにち。
くるひも。くるひも。
なきねこちゃんはそこにいる。

私はなきねこちゃんが大好きになった。
なきねこちゃんと排水溝の水を見るのがとても好きになった。

ある日、私の部屋のベランダの窓を開けると、
そこに、なきねこちゃんが寝そべっていた。
「あ。なきねこちゃん」
「にゃあ~」
お腹の下に握りこぶしくらいの子供がいた。
それから、子供が少し大きくなるまで
私のお部屋のヴェランダで子育てをした。
なんだか、とても嬉しかったんだ。
その間は排水溝には行かなかった。


私6歳の時の事。