zouki

雑木林へ行く。
耳がしびれるほどの蝉たちの声。
ひんやりと心地よい空気に。
木々たちの吐き出すしっとりとした息。
緑にそまる景色。

土にくちばしを差し込むカラス。
次から次へとつんつくと掘っている。
虫を探しているのかな。
「ねえ。私もみてみていい?」
とか言って、
カラスの掘った穴をひとつひとつ
棒を差し込んでほじくってみる。
あ。カラス見てる。
「・・・・ふん」
あんまり相手にしてもらえない。
別にいいもん。
と、ひたすらカラスのほじった後を、
ほじほじやっていたら、
あっという間に足を蚊にさされた。
数えてみたら、19個。
かゆいかゆい。

「かゆいから帰るよ~」
「・・・・あそ」
むぅ。

そして私は雑木林をあとにした。
綺麗なカラス君だったなあ。
声がなかなか魅力的だったよ。
筋の通った程よいアルトといったところ。

ある夏の日の午後でした。