私は大切なある人についてずうっと考えていました。

彼女は美しいな容姿と本当の優しい心の奥とはうらはらに、
自虐的で、破滅的でもありました。
見ているとこちらがとても切なくなってしまう。
そんな生き方をしていました。

ずぼっと抜けだせないような泥沼に飛び込んで、
その通り抜けだせず。
出鱈目にふりまわされ、傷つき、それでもそこから離れられずに。
その悲しみを刻むかのように、体に大きくいくつもの彫り物を入れました。
彼女の生き方は、
毎日まいにち生きていれば、
その日、その日、罪を重ねていくような生き方で。
見ていると痛々しく、辛く。
なんとか、なんとか、なんとか。
彼女が自分の足でなんとかする他はないのだけれど、
なんとか。なんとか・・・・そう思っていました。

彼女は。いっそ。死んでしまった方が良いのだろうか。
そんな事を真剣に考えていました。
傷を増やし、罪を重ねていくのなら。
そんな事はないと思いながらも、そんな思いは拭いきれずに。

ある通勤電車の中でも彼女の事をいつもの様に思っていました。

ああ。
窓際にいた私を眩しい朝日が照らします。
電車はいつものように。ガタンゴトンと揺らします。
家々が連なり。
今日と言う日がはじまります。

死んではいけない。
決して死んではいけない。

どんな人も死んでなんかはいけないんだ。
生きる事ができる限り生きるんだ。

生きているという事は、
あらゆるチャンスがある。
ごめんなさいをして、もう一度やり直す事もできる。
間違っていたと思ったら、そこからまた生きればいい。
いつでもいい。何歳だっていいんだ。
本当にそう思えばいつでもどこでもよいのだ。

彼女は死んでなんかいけない。
彼女がどう生きて行くかはわからない。
だけど、死んではいけないよ。

死刑はそこで終わってしまう。
ハイ。オワリ。
プッツン。
強制終了。
そして、その命はさらにさらに深いところから始めなくてはならない。

終身刑。
例え一生捕われの身だとしても、
命があれば、生きていれば、本当にごめんなさいと思うチャンスがある。
そうしてそこでだって、生きなおせるんだって思う。
むろん、だからといってその罪が全てみんなに許されるわけではない。



死んだ方がいいなんてもう考えない。
生きてほしいと思った。

朝日はなおも眩しくて、
私はもう泣けてきて。

大切な彼女よ。

生きていてと。




私の大切な妹。