
茶太郎
やっほ☆
ぼく茶太郎☆
この笑顔がキュ==ツッ☆
彼は古くからの友人です。
性格は、頑固な所もありますが、
温和で甘ったれ。
そのくせ結構男っぽいです。
彼は、山奥に住んでいるためたまにしか会えないのですが、
どんなに長い時間がたっても、私の事を忘れた事がありません。
「茶っ♪はいち~ず☆」とカメラを向けたらこの笑顔☆
彼の家の前の灯りをのぞけば、あたりは月の光しかありません。
夏の夜、私たちは昼間に釣ったアユを囲み、
虫の音をさかなにお酒やらおしゃべりを楽しんでいました。
茶太郎はそんな私たちを見るでもなく、近くで寝そべっておりました。
「茶、ちょっと走る?」
私は声をかけました。
茶はすぐっと立ち上がり、
「いくいく!」と目をキラキラさせて答えます。
ビールの缶を置き、おもむろに彼の綱を手にとりました。
私たちは闇へと駆け出しました。
「茶===!!!」
「オンオンッ!!」
遠くから声が聞こえます。
「り~す~~。どこさいくんだ~~~。」
「茶と走ってくる~~!!」
と大きな声でとりあえず返事。
そのまま私たちは走ります。
あっと今に闇にのまれてしまいました。
振り返れば茶太郎の家の灯りがほんのりと小さく見えます。
前を向けば、そこは闇であり
ほんとうに、草1本、手綱を引く自分の手すら見えないのです。
こんなに深い闇を体験した事は始めてでした。
闇はただ黒いのではなく、
奥行きがあり、濃く、深くも透き通っていました。
道がどこにあるのか、わかりません。
どこを歩いているのかもわかりません。
ただ、茶太郎は鼻を利かせてぐいぐいすすみます。
目を開けているのか、閉じているのかわからない。
もはやどちらでも良い。どちらも変らない。
空を仰げば満点の星空です。
こまやかな光の粒達の踊りがよく見えます。
茶太郎に身をまかせ、ただただ、どこかへ引かれて行きます。
わたしとつなとちゃたろう。
ぐいぐい。
彼を信じてついていく。
ぐいぐい。
私は人間であなたは犬。
つながなくなって、
つながっているよう。
よう。
よう。
よう。
しばらく闇をすすんだあと、
私たちはあたたかい光りのもとへもどったのでした。