烏賊です。

鈍行でゆっくり運ばれていくのが好きです。
特急も好きですけどね。
鈍行には特急にない良さがあります。

普段から帰省は鈍行です。
鈍行の魅力は、風景を置き去りにしないことだと思います。
始発駅から終着駅まで乗っているような人は当然ながらごくわずかで、生活の足として利用する地元の人がほとんどです。
そんな誰かの日常にひっそり紛れ込んで旅をする非日常感に病みつきになっています。

車窓を流れる景色や乗客の会話の一瞬ごとに、その土地の人の生活が映り込みます。
彼らにとっては何でもない「ある日の光景」を少しずつお裾分けしてもらうような気持ちです。
手の届かない星を眺めてその壮大さに圧倒されるような瑞々しい感性は人ほど持ち合わせていないように思いますが、そのかわり少しだけ触れることのできる膨大な数の「知らない人の日常」の壮大さには人より鋭敏に反応している気がします。
好みの問題でしょう、この辺は。

というわけで今日も「天体観測」をしています。
楽しいですが、疲れてきました。
始発で上野を出て、もうそろそろ本州の最西端が見えてきました。
実は今、東海道・山陽本線の鈍行乗り通しの最中なのです。
日付が変わる頃には終電で人生初の九州上陸を果たしていることと思います。
この旅程での鈍行旅の構想は数年前からあって、自分の中で「修行」と呼んでいたんですが、実際にやってみるのは今日が初めてです。
もうすぐ学生じゃなくなっちゃいますからね。
終電が早まったり始発が遅くなったりしたらもうできなくなってしまいますし。
こういうアホなことは今のうちにやっといたほうがよさそうです。

明日も修行の続きです。
楽しみ。