烏賊です。

 

今日も教習所だったんですが、学科教習中にキモいことを考えてしまいました。

キモいなあと思って途中で考えるのをやめてしまったので、続きをここで考察しようと思います。

 

何を考えていたかを説明する前に、今日の学科教習の話をしなければいけません。

今日のテーマは交通事故についてでした。

どんなことに気をつけて運転すれば良いかとかどんな事故が起きやすいかとかそんなやつですね。

その中で、運転する際に気をつけるべき5つの力を学びました。

「慣性力」「遠心力」「摩擦力」「重力」「衝撃力」です。

最初の二つで既にん?という感じなんですが、とりわけ僕が気になったのが最後です。

「衝撃力」なるものは力の次元を持つんでしょうか。

予め断っておきますが、ここからは理系成分多めのキモ話です。

 

しばらく授業を聞いていると、「衝突の際に受けるエネルギーは速度の二乗に比例します」と書いてあるところが出てきました。

「衝突の際に受けるエネルギー」なるものがなんのことなのかはわかりませんが、衝突前の運動エネルギーが全て体に降りかかってきたと考えるならばこの説明はまあ肯けます。(運動エネルギー)=1/2 mv^2ですもんね。

 

さて、問題はこの先です。

指導員の人が「ご覧の通り衝撃力は速度の二乗に比例します」と言いました。

序盤で出てきた「衝撃力」とは「衝突の際に受けるエネルギー」のことなのでしょうか?

衝撃力はエネルギーの次元を持つのでしょうか?

確かに、例えば「起電力」という言葉は立派な物理用語ですが、力の次元を持ちません。

よって、力の次元を持たない「〇〇力」があること自体は問題ありません。

でも、体が受ける被害は果たして「エネルギー」によるものなのでしょうか。

この辺まで考えて自分のキモさに呆れ考えるのをやめたわけですが、せっかくなので続きを考えてみましょう。

3本立てでお送りします。

 

[疑問] 

1. 「衝撃力」は「エネルギー」の次元を持つ物理量なのか?

2.  衝突によって体に受ける衝撃は「速度の二乗」に比例するのか?

3. 教科書に書いてあることは誤りなのか?指導員の説明は誤りなのか?

 

[考察(1と2について)]

まず、衝撃力を「体を破壊する作用」と定義します。

衝撃力が二倍になれば体の破壊の程度も二倍になるわけです。

体の各部位は弾性体なので、フックの法則からの類推で「破壊の程度(=歪み)は応力に比例する」としてしまって良いでしょう。

応力を受ける体の範囲(=表面積)を一定とすれば、これは力に比例することになります。

この辺はファジーに行きます。

ついでに、「破壊を及ぼす応力」がどのくらいの時間にわたって体に作用するのかも重要です。

これは直感的にも明らかですね。

一瞬鳩尾を突かれるよりも10秒間くらいエグられ続ける方が絶対しんどいですよね。想像しただけで痛い。

さて、ここまで考えると、「人体への影響」は(力)×(時間)の次元を持つことになります。いわゆる「力積」です。

ニュートンの運動方程式F=maの両辺を時間で積分してやると、有名な「運動量と力積の関係」が出てきます。

すなわち(力積)=(質量)×(速度の変化)というやつです。

お気づきでしょうか。

つまり、「衝撃力(=人体を破壊する作用)は速度に比例する」ということになるわけです。

速度の二乗には比例しません。

ここまでくると1.と2.に答えを出せます。

 

[回答]

1. 衝撃力は「エネルギー」ではなく「運動量」の次元を持つ物理量である。

2. 衝突によって体が受ける衝撃は運動量に比例する。つまり「速度」に比例する。「速度の二乗」には比例しない。

 

[考察(3について)]

ここまでくると、おかしいぞ?という感じになってくるわけです。

別に「衝撃力」なるものは速度の二乗に比例しないのに、教科書にはそんなようなことが書いてあるわけです。

東京中で使われている教科書です。

そんな嘘をわざわざ書くことがあるでしょうか。

結論からいうと、そんなわけないんですよね。

もう一度先ほどの教科書の文章を書いてみます。

 

「衝突の際に受けるエネルギーは速度の二乗に比例します」

 

誰も「衝撃力」とか「衝突の際の人体への影響」とは言っていないわけです。

あくまで「エネルギーは速度の二乗」と書いてあるだけなのです。

これ自体は厳然たる事実ですからね。

しかし、この書き方だと間違いなく誤解を生みます。

いくら高速走行による危険性を強調したいとしても、こういうのはどうなんでしょうか。

 

そしてこれを誤解してしまったのが今日の指導員ですね。

彼ははっきりと「衝撃力は速度の二乗に比例します」「体の受ける影響は速度の二乗に比例するわけですね」「気をつけましょうね」と言っていました。

これははっきり言って間違った認識です。

しかしこれで指導員の方を責めるのは無理筋です。

こんな書き方してあったら普通そう読みますよね。

あげつらって文句を言うのはキモい理系のオタクだけです。

 

と言うわけで、

[回答]

3. 教科書は誤ってはいないがミスリーディングな記述がある。指導員の説明は誤っている。

 

危険性を過小評価するよりずっといいと思うんですけどね。

それでもこんなふうに事実誤認を誘発する記述をして憚らない公安委員会の欺瞞に僕は誠意を感じません。

というキモいブログ。