BoysとGirlsものではこれがダントツピカイチの短編集。作家陣のラインアップが良過ぎる。
石田衣良は林真理子と同じで人物としては苦手だけどやはりこういうのを書かせると上手い。
小川糸は料理好きにはたまらなかった「食堂かたつむり」と同様今回も料理の描写上手。多分この人食いしん坊。
浅井リョウはさすが作家エリートだけあってこういうクサイ話も上手に書く。
辻村深月は先日直木賞取った作品を読んだ時にはあまり好きでは無かったけどこんな青春物書けるのか。と言うかもともとこっちの人か。
山崎ナオコーラは「人のセックスを笑うな」の映画版がとても良くて何度もDVD見直した割に原作はイマイチだった覚えがあったけど今回の方が大分マシ。それでも王次郎みたいな子は絶対いないと思うけど。
吉田修一は「悪人」と言い、覆しようの無い不幸感の中の純愛を書かせたら天下一品で素晴らしすぎる。「さよなら渓谷」も映画の前に原作読んでみたい。
しかし吉田修一からの米澤穂信でせっかくの一冊が…いやまあ好きな人は好きなんだろうで好みの問題なのだろうけどやはりこの人の作品は苦手なこと判明。理由①人物浅過ぎ、②情景描写甘過ぎ。ラノベ系と言えばそれまでなんだけど、多分ノリがものすごく漫画的なのに文章で読まなければいけないのが苦痛なのかも。氷菓も漫画の方が面白かった。