南極の冷蔵庫 〜勝手に閉ざす扉〜最終話
南極の冷蔵庫 ~勝手に閉ざす扉~⑤のつづきです。
奇跡的にコーヒーが売れ
それが2時間で200杯近く売れると言う出来事に
4日目の朝
僕は意気揚々と食堂へ行き
ボイラーのお湯を確かめ
手際よくコーヒーを出せるように粉を入れて並べ
ゴンドラに行列が出来始めると
引戸をパーン
立て板に水のコーヒー売り口上が始まり
「よ!おもろいど!にいちゃん!」のかけ声に気を良くし
魔法に掛かったように売り口上が良くなって来ます。
この日、あれ程売れなかったコーヒーは21000円を越える売上。
バブルの好景気も後押しして、高々100円のコーヒーに目くじら立てる人も少なかったということでしょうか。
その次の日はもう23000円の売上を上げ、
そうなってくると、調子に乗った僕も鼻息荒く
食堂、宿屋を闊歩していきます。
近寄りもしなかった従業員たちが近寄って来、媚びうるように話しかけて来ます。
しかしながら、このコーヒー売り
突然終わる事となります。
宿屋のおやじが「おい、木下くんよ。コーヒー売るのやめてくれ」
「え?何でですか?こんなに売れてるんだからもっとやりましょうよ!」
「いや、近所の食堂、宿屋から
『あそこのおかしなコーヒー売りのせいで、うちの自動販売機でコーヒーが売れない。止めさせろ!』
という苦情が来て…」
「そんなの、関係ないじゃないですか!
だったら近所の連中もコーヒー売ればいいじゃないですか。
無視、ムシ!」
「い、いやいや、止めてくれ、ここ(野沢温泉)は村社会だからダメなんだ。村八分になる!」
「♪売れてるんだから、無理、ムリ♪」
おやじが止めるのも聞かず、コーヒーを売りに行こうとする僕に
「頼む、木下くん、や、やめて~!!」
立場が逆転しました。
宿屋のおやじの商機について
「こんなインスタントコーヒーでお金取っていいの?」
「インスタントコーヒーをお盆で運んで売れる訳ない」
「こんなの売りつけられた客の方が迷惑と感じるでしょ」
「こんな仕事、俺がやるのはみっともない。バカバカしい」
「売れないのは宿屋のおやじのせい。俺のせいじゃない」
etc…
この時は分かりませんでした。
出来ない理由を選べば
この場に居る事もあたわぬ結果しかなく
出来る理由が思いつかなくとも
出来るまで疑わずやり続けることを選べば
僅かかもしれませんが
奇跡を呼ぶ結果もあることを。
この後、家を売っている会社とも知らず
入社した会社で「注文建築を売る」仕事をすることになりしたが
三流大学文系法学部卒業の僕が
「注文建築」を売る事が出来ました。
知識も経験もなかったのですが
この冬山でなり振り構わず売ったインスタントコーヒーが
この時の僕を支えました。
自分が「売る」という行為を明確に認識したとき
自己欺瞞でも尊大でもなく
「僕は南極で冷蔵庫を売る自信がある」
今もそう思っています。
南極で冷蔵庫を売ったことはありませんし、そんなの売れるかどうか分かりませんが
そのような理解、解決不可能な状況になっても、出来ない理由を並べて
「何もせずに階段に座り込むバイト君」には絶対にならないという
確固たる意思があるということです。
僕の前にいた9人は勝手に「売れない」と扉を閉ざしましたが
結果的には売れました。
この現在においても、人は勝手に扉を閉ざします。
より良きを求めるなら
扉は「開くもの」でなないかと思いつつも。
僕の冬山時代
この後「伝説のいそうろう」となっていきますが
それはまた、別のお話。
僕のスキーの腕前
それもまた、別のお話。
奇跡的にコーヒーが売れ
それが2時間で200杯近く売れると言う出来事に
4日目の朝
僕は意気揚々と食堂へ行き
ボイラーのお湯を確かめ
手際よくコーヒーを出せるように粉を入れて並べ
ゴンドラに行列が出来始めると
引戸をパーン
立て板に水のコーヒー売り口上が始まり
「よ!おもろいど!にいちゃん!」のかけ声に気を良くし
魔法に掛かったように売り口上が良くなって来ます。
この日、あれ程売れなかったコーヒーは21000円を越える売上。
バブルの好景気も後押しして、高々100円のコーヒーに目くじら立てる人も少なかったということでしょうか。
その次の日はもう23000円の売上を上げ、
そうなってくると、調子に乗った僕も鼻息荒く
食堂、宿屋を闊歩していきます。
近寄りもしなかった従業員たちが近寄って来、媚びうるように話しかけて来ます。
しかしながら、このコーヒー売り
突然終わる事となります。
宿屋のおやじが「おい、木下くんよ。コーヒー売るのやめてくれ」
「え?何でですか?こんなに売れてるんだからもっとやりましょうよ!」
「いや、近所の食堂、宿屋から
『あそこのおかしなコーヒー売りのせいで、うちの自動販売機でコーヒーが売れない。止めさせろ!』
という苦情が来て…」
「そんなの、関係ないじゃないですか!
だったら近所の連中もコーヒー売ればいいじゃないですか。
無視、ムシ!」
「い、いやいや、止めてくれ、ここ(野沢温泉)は村社会だからダメなんだ。村八分になる!」
「♪売れてるんだから、無理、ムリ♪」
おやじが止めるのも聞かず、コーヒーを売りに行こうとする僕に
「頼む、木下くん、や、やめて~!!」
立場が逆転しました。
宿屋のおやじの商機について
「こんなインスタントコーヒーでお金取っていいの?」
「インスタントコーヒーをお盆で運んで売れる訳ない」
「こんなの売りつけられた客の方が迷惑と感じるでしょ」
「こんな仕事、俺がやるのはみっともない。バカバカしい」
「売れないのは宿屋のおやじのせい。俺のせいじゃない」
etc…
この時は分かりませんでした。
出来ない理由を選べば
この場に居る事もあたわぬ結果しかなく
出来る理由が思いつかなくとも
出来るまで疑わずやり続けることを選べば
僅かかもしれませんが
奇跡を呼ぶ結果もあることを。
この後、家を売っている会社とも知らず
入社した会社で「注文建築を売る」仕事をすることになりしたが
三流大学文系法学部卒業の僕が
「注文建築」を売る事が出来ました。
知識も経験もなかったのですが
この冬山でなり振り構わず売ったインスタントコーヒーが
この時の僕を支えました。
自分が「売る」という行為を明確に認識したとき
自己欺瞞でも尊大でもなく
「僕は南極で冷蔵庫を売る自信がある」
今もそう思っています。
南極で冷蔵庫を売ったことはありませんし、そんなの売れるかどうか分かりませんが
そのような理解、解決不可能な状況になっても、出来ない理由を並べて
「何もせずに階段に座り込むバイト君」には絶対にならないという
確固たる意思があるということです。
僕の前にいた9人は勝手に「売れない」と扉を閉ざしましたが
結果的には売れました。
この現在においても、人は勝手に扉を閉ざします。
より良きを求めるなら
扉は「開くもの」でなないかと思いつつも。
僕の冬山時代
この後「伝説のいそうろう」となっていきますが
それはまた、別のお話。
僕のスキーの腕前
それもまた、別のお話。