寄付と布施
先日お邪魔した親族の法要の席で、私の恩師でもある
菩提寺の住職にまたひとつ教えを頂きました。
「寄付」と「布施」
寄付と布施の違いをご存知ですか?
寄付は受けたほうが"ありがとう”と言い、
布施は差し出したほうが”ありがとう”と言う。
上で言う布施とは金品を扱うので財施といいます。
これに対し、財が無くとも出来る施し、身施があります。
無財の七布施といい、己の善根を磨くための修行です。
① 眼施(慈眼施)
優しい目つきですべてに接すること
② 和顔施(和顔悦色施)(わがんえつしきせ)
いつも和やかに、おだやかな顔つきをもって人に対すること
③ 愛語施(言辞施)
ものやさしい言葉を使うこと
思いやりのこもった態度と言葉を使うこと
④ 身施(捨身施)
自分の体で奉仕すること
⑤ 心施(心慮施)(しんりょせ)
自分以外のものの為に心を配り、共に喜び、悲しむこと
⑥ 壮座施(そうざせ)
自分のライバルの為にさえも、自分の地位をゆずっても
悔いないでいられること
⑦ 房舎施(ぼうしゃせ)
思いやりの心を持ってすべての行動をすることである。
恩師はすぐに全てを行うべく心を奪われるより、徐々に自然に
出来るものから始めるが良い。例えば、いつでも誰に相対しても
優しい目①と穏やかな笑顔②で迎え、優しい言葉③で話す、
これだけで良い、と説いてくれました。
私は熱心な仏教徒ではないし、他に信心するものもありません。
しかし本当の宗教とは恩師が教えてくれたような、
いつでも誰に相対しても平和でいられる世の中を創る
教科書のようだと思え、尊いものだと気付かされます。
何事も曲げて捉えてはいけません。
根本はとてもシンプルで誰にでも出来ること。