髪の主治医 | 吉永達哉のコミュニケーション スクエア

髪の主治医

今日、馴染みの理髪店のオーナーである後輩君に、暫しのお別れを言うために


髪を切ってもらいに行ってきました。


暫しのお別れを言うのは、これから1年間新たな仕事のお付き合いをいただく


美容院さんのお世話になるため。


仕事とは別でしょって思われるかもしれませんが、私という人間を買ってくれて


1年間付き合っていただく決意をしていただいたなら、私もそれに答えるべきだと


思っています。それが私の付き合い方なんで、迷いはありませんでした。





思えばこの数年間、後輩オーナーには全てをお任せしてきました。


必ず「今日はどうします?」と訊かれますが、私は「春風に頬を撫でられた感じで」


とか「夏の日差しにも負けない凛とした感じで」などと答えます。でも必ず彼は


「分かりました」と言い、迷わず切り始めます。


多分、前回切ってから何日経っているか把握していて、更に私の性格を熟知し、


この季節にはこんなイメージを好むであろうと、過去のデータを瞬時に紐解きながら


予測をしているんです。


そんな彼の仕上がりに不満を持ったことは一度もありませんでした。



彼は間違いなく一流の技術を身に付けていますが、素晴らしいのはそれと同等の


コミュニケーション力と洞察力、表現力を身に付けていることです。


いつもキレイサッパリするまでの1時間は楽しかったり、議論したり、


考えさせられたりと、職人であると同時にサービス業の何たるかを心得ている


彼には、後輩ながらいつも関心させられっぱなしでした。




そんな彼に切ってもらえなくなるのはちょい淋しいですが、また来年のこの時期に


ひょっこり顔を出してみます。


多分、笑顔で楽しげに会話しながらも私の髪の毛を切るという真剣勝負をしている


笑っていない眼差しは何も変わらないはずですから。