リレーマラソンに無事、参加することができて、ほっとしている。
たった4キロを走るだけだが、自分にとっては、大きな意味があった。
関節痛との戦いである。
年齢的なものではあるのだが、筋力と持久力の低下により、練習をしても足腰の痛みが発生し、やむなく練習を休むといった事のくり返しで、満足に走る事ができなかった。
練習の程度がよくわからなくなってしまったのだ。
実は、当日の朝も妻からは欠場したらと言われた。
練習不足と身体の衰えを心配しての事だ。
とはいうものの、直前で出場を見送るわけにもいかない。
メンバーにも迷惑をかける。
それでも会場に行けば、気分も変わる。
リーダーの女性が、私の顔を見て、安心したような笑顔を見せてくれた。
そしてメンバーたちも続々と朝の競技場へ現れ、皆が私に気合の入った声を掛けてくれた。
リーダーのチームをこれまで導いてきた気力が、メンバー全員に乗り移ったかのような、心が一つになる瞬間を共有できた。
42.195キロを10人でリレーするというミッションのためだけに、メンバー全員が準備をし、自分のトレーニングメニューを消化し、体調の調整を仕上げてきているはずだ。
本来、マラソンは孤独なスポーツではあるのだが、リレーという団体競技にすることで、全く別の顔を持つ。
リーダーシップとチームワークを組み合わせて、タイムに挑んで行く。
チーム全員が一つになる。
アンカーが走り終えた瞬間、爽やかな風が胸の中を通り抜けた気がした。
打ち上げのビールのうまかったこと・・・。
来年もまた走りたいものだ。