地下鉄の最終を降り、地上に出ると、あたりは人影もまばらで駅前のコンビニの看板がやけにまぶしい。
配送トラックの荷台の扉を開閉する音が、深夜の街に響き渡る。
仕事帰りに一杯ひっかける店も既に終わり、やむなくコンビニで缶ビールを買って帰るのが、いつものパターンだ。
道路を走るクルマもほんのわずかでセンターラインの黄色がヘッドライトに照らされ、そこだけまるで何かのサインのように鮮やかに浮かび上がる。
ふと見上げるとマンションの屋上の携帯電話基地局の電波アンテナの向こう側に星が一つ、控えめな光を放っているのが見える。
いや、一日中、パソコンを見続けて酷使している眼には、その光も残念ながらかすんでしまい、よく見えないと言った方がいいだろう。
何しろ、街路灯の青白い光がまぶしすぎて、空は暗闇にしか見えないのだ。
だが、本来、夜空には星々たちが輝き、夏の星座を形作っているはずなのだ。
こと座、さそり座、白鳥座・・・、小学生の頃に見たプラネタリウムでの神秘的な場面がふとよみがえる。
夜空は決して暗闇ではなく、見えないが、そこに星たちは厳然と存在しており、黙々と星座を作り、そして朝とともに消えていくのだ。
ただ、私に見えないだけなのである。
今夜は少し夏の星座の事でも思い出してみようか。
そんなたわいもない事を思いながら、家までの道を帰るのは、楽しい。