通常、スポーツでは得点をカウントするが、
サッカーにはアシストというものもカウントされる。
(調べたらアイスホッケーにもアシストカウントがあるようだ)
つまり、
得点した人間にパスを出した人間が評価される制度だ。
得点の瞬間からほんの少しだけ時間を遡る。
自分がボールを持っているが、直接ゴールは狙えない。
ここで周囲の状況を素早く読み、
走り込んでくるストライカーがゴールを決めるイメージを描き、
そのイメージ通りのパスを出す。
絶妙な判断と、地味ではあるが100%通るパスを出せる技術。
そういう人材に対しサッカーというスポーツは評価を与える。
一方で仕事の世界ではアシストはカウントされない。
無能なマネジメントはゴールを決めた奴しか見ていない。
ゴールを決める花形は、自分の評価に直接繋がらない
地味な仕事をしたがらない。
あるいはそれに付随する準備部分にあたる仕事を他の人間に振る。
成果がこの人間ひとりで出たものではないことが明らかでも
表に出るのはゴールを決めた人間だけであり、
それらを支えたアシストたちの存在が語られることはない。
アシストした人間も
「あいつのアレは俺のおかげなんだ」
なんて、わざわざ口にしない。
けど、ゴールを決めた人間だけが厚遇されるようになれば
それはもちろん面白くない。
そうなると、個人プレーが横行する。
情報も共有せず、自分が知り得たことは自分の利益にしか利用しなくなる。
絶妙な位置に味方がいてもパスを出さずに自分でゴールへ突進する。
さらにこじらせると、
まわりに気付かれないように味方の足を引っかけたりもする。
まぁ、こういうのは往々にして
スターの座を陥落した元・花形の仕業なんだけど。
いずれにせよ、上に立つ資質のない人間がマネジメントする組織に
このようなクサレがいると、組織としての雰囲気は最悪になる。
アシストの評価を相対的にもっと高くし、
天狗になりがちなスタープレーヤーの手綱をしっかり握り
チーム全体として公正に評価する資質をマネジメントには求めたい。