会いたくない人間に会ってしまう。
出し抜けに「遭遇」したものだから
瞬間、ひるむ。
そしてそれを気取られまいと、心にカンフル剤を注入。
一瞬落ちた視線は無理矢理前方へ引き上げられ、
そいつを視界にいれつつも、視線は決して向けない。
こちらが敵対感情を持っていることを
あっちはどこまで気付いているだろう。
存在すら認識していないかもしれない。
そもそも、あの男を心底嫌っているのに、
あちらは何一つ悪いことはしていない。
あの男の存在は
俺のいちばん醜い部分を浮き彫りにする。
だから、嫌いなのだ。
(申し訳ないけど)
だが、両者にはたった一つの接点がある。
その接点が
あるべき星の運行さえ狂わせるジョーカーだ。
ババだと知って引くのは愚の骨頂。
だから、静観。
ほら、目さえ閉じてしまえば、
怖いものは見なくてすむ。