勝負をかける時には
たとえ、こちらが有利と分かっていても
余力は残さない。
圧倒的な大差で勝つことが至上命題になる。
なぜって?
相手のほんの少しだけ上の力で
やってみればいい。
相手はそのわずかな差を埋めようと必死に食い下がる。
さらにその少しだけ上を行っても
相手の力はそれに引っ張られるように上がってくる。
たとえ最終的に勝ちを得たとしても
余力を残しながらやったにしては
こちらの消耗は小さくない。
ならば
最初から圧倒的な力の差を見せつけるやり方の方がいい。
相手に戦意さえ抱かせない勝ち方が
いちばんラクなのだ。
「あんなに必死で、みっともねーなー。」
くらいの負け惜しみを言わせるほどの
瞬発力を発揮できれば合格だ。
それこそ、なりふり構わないようにみせかけて
実は計算し尽くされた勝ち方なのだ。
ただし
そのやり方は「果実」を得る時だけだ。
常に勝ちに行くことが目的じゃない。
名誉だけの勝ちなら、いくらでもゆずってやる。
タイミングを計る必要があるなら
射程距離の外から狙いを定めておかなければならない。
最高のタイミングで最大の力を見せつける。
追従者が早々に脱落するような
最初から勝負する気さえ起こさぬような圧倒的なパワーで。