ある意味で典型的な中小企業の社長の話 | 抽象論ではなく具体論での経営改善-SQコンサルティング社長のブログ-

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中小企業に特化した経営改善コンサルティング会社、SQコンサルティング株式会社代表、野村 宜功のブログです。

今はお付き合いのない会社の社長の話です。
ひょんなことから、思い出しました。

ある意味で中小企業の社長の一つの典型ではないかと思いますので取り上げてみます。

この社長(二代目)は、まずまずのインテリで、理屈っぽいところがあります。
そして、会社はこちらの方向に行くべきだという意見も持っています。
大きな戦略は(具体的かどうかは別として)あるわけです。
業界の流れもわかっていますし、独自の数字の分析力も有しています。

しかし、理論はありますが、現場感はありません。現場のことは任せてしまっています。現場とは工場のことであったり、店舗のことであったりします。

会議はほとんどありません。たまにあっても精神論としての上意下達的な話を社長がするだけです。突っ込んで実際にどうするかという話はしません。

製品の品質は良くないです。工場や店舗の人員の働きも良いとは言えません。
放ってあるからです。PDCAなんてありません。
業績は下降してきています。

だからとって社長は、会社のことをどうでもよいと思っているわけではありません。
多額に上る銀行借入に際し、個人で連帯保証も行っています。

そんな経営者はあまりいないだろうと思われる読者もいらっしゃると思いますが、それが結構いるんですね。

ある意味で諦めているというか、達観しているというか。
社員に遠慮しているというより、期待していないといった方が良いかもしれません。

この方とは違う社長からですが、
「僕は十年以上も前から幹部に対して、こういっているんだけど・・・全くわかってもらえない」というコメントを何回か聞いたことがあります。
オーナー社長の意見が社内で十年以上も無視されているということです。
たぶん、こういう方々は、従業員や役員に対し距離を置いており、あまり「グリグリ」と突っ込むのが好きではないんでしょうね。

でも、本当にそれでよいのか、違うやり方があるのではないか、この前もそういってけどそうならなかったじゃないか、などと、従業員や役員と向き合って「グリグリ」議論(といいますか追及?追求?))していかないと会社はよくなるはずはありません。

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と、ここまで書いてきて、自分も社長として、自分の会社で本気で社員と向き合って「グリグリ」やっているか?
本当はもっと社員に期待しなければいけないし、能力を上げてもらうように迫らなければならないのではないか・・・

などと反省してしまいました。
(そういうつもりでこの文章を書き始めたのではないですが、自分のところに跳ね返ってきてしまいました・・・)