小学生の頃、よく、父が
私たち姉妹を書店に連れて行った。
自分の本探しが第一の目的だが、母のために子守もあったのだろう。一冊だけ、本を選ばせてくれて買ってもらった。
ある時、隣りの靴屋で、一足、好きな靴を買わせてくれた。珍しいことだった。
私は、普段履きの靴を選んだ。
妹は、なんと、黒革の当時一万円のブーツである。父は了承した。私は、母の日頃の経済感覚を知っていたから、この時を逃すと、もう、そんなものは買ってもらえないとわかったので、父に私もそれに変えたいと申し出たのだが、却下された。
悲しかった。
今思い出すと、妹のブーツの出番は、思い出せない。それに比べ、私は普段履きなので、使い切った気がする。
大人になっても、ブーツへの思いはあり、いつも、あのことを思い出していた。
しかし、ようやくブーツを買ったのは、20代ではなく、子供を産んだあとの40近くだった。しかし、私のふくらはぎは、テニスで筋肉をつけ、ブーツがなかなか入らなくて、結局、出番は少なかった。今は、靴箱にショートブーツが入ってる。