ゆずがライブを行っていたようだ。
私の最寄駅周辺では人々がものすごい盛況ぶりだった。

先週だったかは、ミスチルがやっていたようだ。

そういったことにしばらく無関係になっていて、
傍観している自分がいる。

そういうことに傍観・諦観できるようになっている
自分を発見すると、あぁ自分は一般でいう
娯楽とかそういった世間の喜びとは
切り離されているんだな、とすら感じる。

私はその駅のそばの公園の猫に目をやる。

猫たちは数年前からこのあたりに居ついているようで
みなに敬愛されているようだ。

私も時々撫でては、愛でる。

歌声と重低音が遠くから鳴り響く。


ずー ずー ずー ずー ん


猫は私をまっすぐ見つめたかと思うと

身をそっと丸めて両目を閉じた。

非常にコンパクトに収まった猫のからだ。


この猫には

人間が発信する音が どのくらい 届いているのだろう


ずー ずー ずー ん


重低音は きみの おなかにも

わたしと おんなじように 届いているのか



猫は微動だにせず、眠りの世界に浸っている。


私は この猫をまじまじと、 

「愛らしい」

と思った。


そしてその場を去った。

重低音の流れるほうへ。

たくさんの人の波の中へ。



電車に乗っても、

ふとんに入っても、

重低音と猫のやわらかさが、

心地よく私の中で居眠りし続けた。