はとに餌をあげないで下さい。


そうとは書いてなかったので興味津々にパンのかけらを投げてみた。一瞬で凶暴な輪ができた。罪悪感がやってきた。秩序だった平穏は壊れた。無垢のはとたちはわたしの足の周辺をうろついた。やらなきゃよかったとおもった。

代官山には大学以来の上陸だ。おしゃれな街だと思ってたけれど、やっぱりお洒落な街だった。吉祥寺駅を歩いていたら、代官山にあるヘアサロンのカットモデルをやらないかと声をかけられ断る理由が見つけられなかったので行ったのが最初である。

そして、今日になるまで、ずっと足を運ぶことはなかった。

あの人がここでバイトをしていることは直接聞いた。

「水曜は、おだいかんの日」

だね。 そんな会話に出てくるくらいだった。

お昼を食べてるとみられる時に、写真つきのメールがきた。

「パスタ。コンビニだけど、うまし。」

どっかの公園で食べてたんだろうな。

いまわたしがこうして公園でパンを食べるみたいに。


代官山は正直、ものが高い。だから、毎回美味しいお店入ってたら、財布の中身が寂しくなる。

「おだいかん、一緒に歩きたいな」

こんな簡単なことが、どうして言えなかったんたろう、と思う。

素直なんだか、そうじゃないんだか、自分がわからんのです。

今月の心が痛む事件があってからというものの、誰かとつながっていたいという気持ちが強く出てきているのかわかりませんが、明らかに寂しがりになっている自分がいます。わがままでひんしゅくをかうねがいだとわかっていますが…。


でもぎゅうぎゅうの埼京線にのって、まわりの人々が舌打ちしたり恐ろしい顔をしていて、自分はというと肺がつぶれるかと思うほどになっているとき、


ああ わたしは 好きな人に 好き と言えずに おわるのか

と考えたら涙がでてきてとまらなくなりました。マスクがぐちゃぐちゃになりました。


あとで聞いたら、私の姉ちゃんもおんなじようなこと、考えたそうです。


ああ
やっぱり、私にとってあの人は、これまでの人生の中で、大切な人であるらしいのです。


君は何をおもって暮らしてるんでしょうか。地震があってから、何度も連絡しようかと考えました。でもやはり、送れないのです。


くろい煙をはきだしながら

しろい荒れ地を切り裂いて


冬の機関車は


走ります


君の町はもうすぐなんです。