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後楽園は今日も雨だった~。

この日は、雨でした、雨。

周りはカップルばかりですね。

私、好きな人とこういう場所行ったことありません。笑
メリーゴーランドとか、乗ってみたいです、夢だったのですけどね、正直。

うふふ あはは とかベタなことしてみたいです。笑

でも、結局、「本屋さん」で うふふ あはは が落ち着くのでしょうけどね。


周囲は華やかな服に身を包む中、
私は一人スーツで、「後楽園遊園地で、僕と握手っアップ」 というテンションまではなれませんでした。笑


さて、先日のことを少し書いておきたいです。


そろそろロッカーにためてある荷物(本とか、箸とか、プリント類とか)
を持って帰らなければならないと思って、

ちょこちょこ学校に行っているのですが、

この前夕方頃行ったら、たまたま「あの人」がいました。

入った瞬間、寝そうになってて、(というか寝てた?)

私に気づくなり、「ふぁー寝てた今日はやる気しない・・・」

私は静かにしてました。寝たいんだったら、そっと起こさないようにして、
自分のことをやってようと。

しばらくしたら、彼が就職のこととか、質問してきました。
なので、色々答えました。試験の内容とか、気が付いたら熱弁してました。

彼は教授に出した原稿の添削結果が(彼としては)「うーむ」という
感じだそうで、少し凹んでいました。

まぁ、頑張りたまえ、と思いました。こうやって
苦しんで、私たちは成長していく。

しばらくしてアニメの話しました。最近ハマってるらしい。笑
日本のカルチュアの発信源は秋葉原だという説に納得しているらしい。

確かにそうだ、と思う。私は犬彦先生の本を薦めておいた。
彼はそれを、絶対買うといった。

私は、もはや自分を客観的に眺められるようになっていた。彼がどうの、ではなくなっていた。
以前の私だったら、お決まりの「涙」で「やっぱり好きです」とか言っちゃったかもしれん。

でも、この前は、「ああ、私たちは別々の道で、(少なくとも今は)歩んでいく。そして、
成長する。この世でたった2人だけが共有する<記憶>を抱きながら」と傍観していた。

思えばすごいことだと思う。あんなにたくさんいる人間の中で、2人が出会って、
その2人がある<記憶>を共有して、それは確実に、2人の中だけにしか存在しないものなのだから。

私は「さばさば」した女になっていた。


しばらくしたら、彼が「ご飯いく?」と言ってきた。

「茶にしよう」私は言った。

「茶?じゃぁ茶もご飯も出来るとこいこう」


近くのお洒落な喫茶店に行った。初めての場所で、へぇこんなとこあるんだと思った。

我ら共通の先生(私の大好きなせんせい・・・ペンギン笑)や友の話をしたり、これからの自分のこと、彼のこと、いろいろ話した。

彼は、ゆっくり瞬きをする人だ。

彼は、ゆっくり話す人だ。

言葉を丁寧に選んで、ゆっくり瞬きをしながら、宙を見て、
ときどき夏目漱石の物思いに耽ったような肖像画にある顔の角度をしながら、だまりこくってしまったり、話したりする。

そのまぶたが閉じる間には、何億光年もの穏やかな空間が流れている、

そんな感じの人だ。

変わっていなかった。

「ゆっくり瞬きしてるね。考えてるね。」と私。
「ふっ(噴き出し)」

2人きりで心を許しているのだか、あの人は私の名前を呼び捨てで声に出した。
(ちなみに私の本当の名前は、「りん子」ではありません。「ー」伸ばす音が入る名前です)

あっ いいんだ、と思った。私も彼の名前を以前呼んでいたときのように口にした。
別れてからは、誰か他者がいるときは、苗字+君と呼ぶことが多かった。
そうした方が、いいんだ、と思っていた。

めずらしいことだった。少し時間が前に―出会ったころぐらに―戻った気がした。

髪型の話になった。

「なんで最近、うしろでしばってるの。」と彼。

なんだ、また浦島太郎とか言われるのか?と疑った瞬間、

「前はよく降ろしてた」

うん。そうだね。髪をおろして、一部耳にかけてました。
あなたと付き合っていたころは、肩ぐらいの髪をおろして、触られるのが嬉しかった。

「髪もすっごく黒くした?前染めてたよね」

うん。これはもう地毛なのです。あなたが以前、黒髪が好きとか言ってたのがどこかで引っかかってたのかもね。自分でも、痛むし、就職活動もあるし・・・黒がよいと思ったのです。

あなたの昔のはか○太郎はどうしたの、とはさすがに聞かなかった。笑
でも、今の髪型はいい感じじゃない、と褒めた。(実際ハネ具合がいいと思った)

彼は自分の行く美容室の話とか、これから専門学校で講師をすることになったとか、いろいろ
話をしてくれた。私はわたしで、話した。一人暮らしを始めるつもりだとか、いろいろ。
一人暮らしのアドバイスもしてもらった。


言葉が途切れると、うなづきあった。

私たちの間では、いつでもうなづきがあった。

私のクセでもあるのですが…目が合うとどうしてもうなづいてしまうのです。

うなづきまくって、お互い ふっ と笑う瞬間が、この上なくしあわせだった。

このしあわせの感覚は、今は昔のそれとは少し違うものになっているみたいだった。


2時間ぐらいいたのかな。

「行こうか」

本屋に寄って、さっき私が薦めた本を買うという。

私も一緒に来ることに、彼の中では組まれているらしかった。

でも、私は、帰った。

一緒に行きたい気持ちは、もちろんあった。

時が戻ってしまいそうで、怖かった。

その指に触れたかった。

けれども

これまでの努力が水の泡にならないうちに、去る必要があった。

電車に乗ったら、

「○○出版じゃん!笑」とだけメールが来た。

私が紹介した本の出版社が間違っていたらしい。

「そっかぁ 笑 
今日はありがとう」 と私。

「こちらこそ 久しぶりにまともな話をしました」
(一人暮らしをしてから話し相手が限られてるらしい)

「よかったです。ゆっくり休んでください」

「これから買った本読みますわ んじゃおやすみなさい」

そこで終了。

久しぶりに2人だけで話した。彼は何も警戒していないようだった。
やっと友達に戻れたのかな、と思った。

いい女になろうと決意して、少しはいい女になれたのかもしれない
 
と少しだけ思った。

いい女からはかけ離れているのかもしれないけれど、

私はようやく「わたしの道」を歩き出した気がした。