さっきお医者さん行った帰りに、院生室よりました。
あの人がいました。
どうやらインフルではなかったようです。でも声がかなりかすれてた。
なんだか舞い上がったようになってしまって、おめでとう 言うの忘れました。あああ、またやっちゃったよ。「大丈夫?」くらい。「大丈夫じゃない」と彼。「(論文)できたの?」と聞かれたくないけと聞かれました…
「いや、今格闘中だよ」にこにこして、私は大丈夫、彼の前では笑顔だ、と念じまくる。ちなみにあなたが、つけてるマフラーは(首だけすぽっとおさまるやつ)、私が風邪引きそうになったとき、「これつけて帰って」といって貸してくれたものだ。黒いニットで、イギリスみやげに親友からもらったという詩人の肖像のバッジがついてた。(ほんと、文学ばかだな…そこが良いのですが…)
「りん子のにおいつけといて(笑)」
「あはは、たぶんね…(^^)」
彼は私の髪の毛のにおいがよいとかなんとか言ってくれました…。たぶん周囲のタバコとかのにおいを防ぐスプレーつけてたんで、それです。あんま言葉にしてくれないあの人の口から、そんなことが聞けて、嬉しかった。
ただ、今はつけないようにしてる。自分が思い出してしまうからーー。まだ缶にたくさんはいって、そのまんま。いつか使うかな…。分からん。
ニットを返したとき。「あっ!においする。」
そりゃぁそうですよ。ちゃんとご希望どうり間接的につけときましたから。(笑)
こうして振り返ってみると、あほですね。こうやって極めて個人的な記憶のフィルムを何度も再生させては、一瞬しあわせな気分になって、また沈む。
とりあえず、まぁ、ニット似合ってますよ。と思った。
彼は他大学の授業にいくと言って出ていった。
帰り際、私は「気をつけてね」と言って、せいいっぱい微笑みながら、右手を小さく振った。彼は、目を合わせて、こくりと頷いた。
ドアが閉まった。
その後院生室には人がたくさん来た。人が多いと不安になるタイプなので、少し相づちとか、はははとか言って去りました。
やっぱり私は一人で勉強のほうが合っている。いろいろな「声」に反応してしまうから。普通にはなすのは良いのですが、自分が読み込んでるときに、関係ない話が飛び込むと気が滅入るときがある。
あの人は、皆と仲がいい。院生の中心になって、みなをまとめあげる。皆から好かれる。でも敵も多い。やる気がないと、容赦ないときあるから。そういった、自分にないものを持ってる彼に憧れていたのかもしれない。
忘年会するんだって。私には関係ないけどね。彼が提案してるらしい。あなたはいつだって皆と一緒だよ。良かったね。私はもっと闇でーーあなたの知らないところで頑張ってますから。あなたが太陽なら私は月ですから。
私はただ単に、円環からはじきだされて、寂しいだけなのかもね。
でもね、私は「周縁化」されたものの強さを知っている。
私は、
たたかいます。
そして、私自身の「声」を獲得します。
