「違います、そんなんじゃなくて。本気だから。本気で…愛してる」
なんとか気持ちを伝えたくて、ジミニヒョンの手を取って包み、ぎゅっと握る。
あ…
みるみるうちに困った顔に変わってゆくジミニヒョンを見て僕は手を離した。
「困ってますよね…ごめんなさい」
ジミニヒョンはちら、と僕の手に視線を落としたみたいだった。
「や、その…お前のこと、そんなふうに見たことなかったから…その…」
ジミニヒョンはそこで言葉を切った。
「そんなふうに見たことなかった」とか言って…
潤んだようにも見える瞳で不安そうに僕を見つめるジミニヒョンを見ていると、僕に一瞬呆れに似た感情がわきあがる。
そんなふうに見たことなくて、あんな感じだったんだ…
パクジミンすごいな…
でも、まあ、そうだよね…
昨夜メッセージをやりとりしていた友達の「メンバーだし、家族みたいになっちゃってんだったら、まずは意識してもらうところからだよな」という言葉が蘇ってきた。
「どうしよう、どうしたら『そんなふう』に見てもらえますか?」
「えっと…」
「僕がずっとしたかったこと、してもいいですか?」
僕は言いながら、ジミニヒョンの手をぎゅっと握って、僕の方へ引き寄せた。
「え、それって…」
「嫌だったら…そう言って」
僕は右手でジミニヒョンの手を握ったまま胸に引き寄せ、左手で彼の肩を抱き寄せて、顔を近づけた。ジミニヒョンの潤んだ瞳が、ぼうっと僕を見つめているのをじっと見つめる。部屋は、ジミニヒョンが瞬きするときの、まつげが空(くう)をかすかに揺らす音が聞こえてきそうなくらい静まりかえっていた。唇を近づける。ジミニヒョンの息づかいを感じて、頭に血が上りそうになるのをぐっと堪えた。
「っ…」
何か言わなきゃ、と思っていたのにそんな余裕は吹っ飛んだ。僕はジミニヒョンに唇を重ねてすぐ、その感触に夢中になった。