シャワーを浴びてリビングへ行くと、ジニヒョンとユンギヒョンがソファで並んでテレビを見ているところだった。ジョングクの姿がないことにほっとする。2人に挨拶して、キッチンに行き、飲み物を取って2人の隣に座って気づいた。
あれ…
なんで、僕ほっとしてるんだ…
ぼんやりと考えた瞬間、
「あ、ジョングク…やっと起きたのか…髪乾かせよ」
笑いまじりのジニヒョンの声に、僕の胸は飛び跳ねた。
わわ…ジョングク起きたんだ…
なんか…
顔を合わせづらい…
僕は視線をテレビに向けたまま、ジョングクの気配を確認した。
わ…隣に…
「久々に飲みすぎました」
ジョングクの声が横から聞こえたかと思うと、隣のスペースがぽすんと沈む。シャワーしたばかりなのか、湯上りのジョングクはいい匂いがした。僕は、盗み見るみたいにチラリとジョングクに視線を投げた。タオルで拭いただけなのか、ラフにばらける髪はまだ濡れていて、どきりとした。
あれ…
濡れた髪のジョングクなんか…
めちゃくちゃ見てるはずなのに…
「あーこれ昨日話してたやつですか?」
隣に座ったジョングクがテレビ画面見て面白そうに笑った。昨日皆でいるときに話題になったドラマだ。
「そうだよ」
「めっちゃ面白いよ」
ジニヒョンが答えたのに次いで僕も口を開く。ジョングクは「へぇ、この人出てるんだ」と呟きながら、ソファへ深く腰掛けてもたれた。
ジョングク、昨夜のこと忘れてるのかな…
僕に告白してキスしそうになったことなんか…
てか…やっぱり僕の勘違いだったってことだよな…
その時、ジョングクが体勢を変えて、彼の腕が僕の腕に触れた。
あ…腕…くっついた…
途端に、頬がかっと熱くなった。
なんで、こんなことで…
落ち着かない気持ちをなだめたくて、僕はジョングクから顔を隠すように、手で前髪を払った。
「ジミニヒョン、なんかいい匂いする」
「わっ」
ジョングクが僕の肩口に、顔を寄せた。首筋の近くにジョングクの体温を感じると、胸が騒いだ。
「っ…シャワーっ…したからっ…」
焦ったせいかなかなか言葉が出てこず、そのことがさらに僕を焦らせる。ジョングクは一瞬驚いたような顔になったけれど、すぐに、にこ、と笑った。その笑顔にまた胸が飛び跳ねる。
こんなの…
こんなことは初めてだ…
僕、どうしちゃったんだろ…