(ジョングク×ジミン)です
つないだジミンさんの手をぎゅっと握る。公園に行くまでの間に、道行く人が何人か僕とジミンさんを見たけれど、僕は気にせず、公園まで何も言わずに歩いた。
「ジョングガ…」
公園に着いて、木々に囲まれた小さな噴水の前で僕は手を離して、ジミンさんを見た。
「ごめんなさい、僕…」
「あ、謝んなくていいって」
僕が言うとジミンさんは慌てて言った。そして、一呼吸置くと僕に向かってふわりと微笑んだ。
「僕、ダンスやめたんだ」
「え…」
やめた…
あんなに上手いのに…
ジミンさんは再びにこりと笑うと「座ろ?」と呟いてベンチへ座った。僕も隣に腰かけた。
「ダンス大会に出るためにチームのメンバーと一生懸命練習してたんだけど」
「うん」
「おばあちゃんが入院して、僕がお餅屋さんをやることになって、やり始めたらお餅作るのが楽しすぎちゃって」
ジミンさんは僕の方を見て小さく苦笑いを浮かべた。
「倒れるまでやってダンスチームのメンバーに迷惑かけちゃって…お餅屋さんに専念したかったのもあって、やめたんだ、ダンス…すっぱりと」
僕は手の中にある、おばあさんが持たせてくれたお餅を見た。
お餅のためにダンスを…
「でも、さっきジョングクがあんなに褒めてくれて…ダンスも嫌いになったわけじゃないし、どうにかしてダンスも続けていればよかった、って…ちょっと思っちゃったんだよ、ごめんな」
ジミンさんが無理して明るく振る舞っているのがわかって、僕の胸は苦しくなった。
たぶん、この人は…
情熱家で頑張り屋で、責任感もあって…
「倒れちゃったんですか?」
「うん…へへ。練習の追い込み時期にお餅作りのヤマ場も来ちゃって」
ジミンさんは恥ずかしげに肩をすくめた。
「バカだよな」
「ううん…かっこいいです」
僕は心底そう思って言うと、ジミンさんを見つめた。