*BL妄想(ジョングク×ジミン)です
水が流れる音がかすかに聞こえてくる。目を開けた。
「う…」
うっすらと頭が痛い。僕はゆっくりと起き上がった。
僕の部屋…
もう朝…かな…?
窓の外はほのかに薄いブルーの空だ。
あれ、昨日、僕…
ジミニヒョンとバーに行って…
思い出そうと僕はゆっくりと昨日の記憶を手繰り寄せた。ソウルの夜景、くすくす笑うジミニヒョン。
可愛かった…
お酒飲んで…キスして…
それで…あれ…
どうやって帰ったんだっけ?
なぜか、目の前に白い床が浮かぶ。
床…?
僕、這いつくばってたのかな…?
あれは、どこなんだろ…
もう少し思い出そうとしたとき、僕の部屋のシャワールームのドアが開く。濡れた髪で、タオルを肩にかけたままのジミニヒョンだった。自分の部屋には戻っていないのか、僕のTシャツと短パンを身につけている。
「起きたのか、よかった」
ジミニヒョンは僕を見てホッとしたように笑ったあと、途端に口を尖らせた。
「昨日大変だったんだぞ、お前」
ジミニヒョンはベッドまで来て僕の目の前に、女の子みたいに両の脚を後ろへ折ってぺたんと座った。
「ごめんなさい、僕昨日飲みすぎた…あまり記憶がない…」
「どこまで覚えてるんだ?」
ガシガシとタオルで髪を拭きながらジミニヒョンが聞く。
「えっと…バーに行って、お酒飲んで…楽しくなってしまって」
僕が言うとジミニヒョンは「ふふ」と微笑んだ。
「で…結構飲んで…次の記憶がどこかの床なんです」
僕が言うとジミニヒョンは噴き出した。
「うんうん、それで?」
「それで…たぶん、車に乗って、部屋に…ジミニヒョンが連れてきて、くれた…」
正直、タクシーと思しき車に乗ったところからほとんど記憶がない。僕が窺うようにジミニヒョンを見ると、ジミニヒョンは
「あの、さ…」
と言って小さく身をよじる。
「家に帰ってきてからのことは…覚えてないのか?」
心なしか、ジミニヒョンがもじもじしている気がする。
なんだろう…
僕は必死で頭の中で記憶を探索した。