BL妄想(ジョングク×ジミン)です
苦手な方は閲覧ご注意ください




「Kiss x Kiss」第1話 → こちらから☆





















Side JK








練習後の更衣室で、ヴィヒョンと2人になった。さっき感じた腹立ちが収まっていなくて、僕は半ば憮然としたままヴィヒョンに近づいた。


「ん?何?何だ?」


ヴィヒョンを壁際に追い詰めて、壁に手をついた。表情を変えないヴィヒョンに、僕は顔を近づけて言った。


「ヴィヒョン、僕とキス…しましょう」


そう言った途端ヴィヒョンは嬉しそうな表情になって、てっきり驚かれると思っていた僕は面食らった。


「マジで?練習、付き合ってくれるのか?」


「は?何の練習?」


僕が怪訝な顔をして身を離すと、ヴィヒョンも怪訝な顔になった。


「あれ…ジミンに聞いたわけじゃないのか」




「何も…聞いてないけど…」


「いやー、俺さ」


ヴィヒョンは珍しく言い淀んだ。


「好きな人が出来てさ…男、なんだけど…」






『キャー』とおどけながら両手で自分の頰を挟むヴィヒョンの言葉にどきん、と胸が跳ねる。



それって…



やっぱり、ヴィヒョンはジミニヒョンのこと…



そして、ジミニヒョンも、ヴィヒョンのこと…



僕は何も言えなくなって、暗い顔で黙っていた。ヴィヒョンはそんな僕に気づいていないのか、話を続けた。


「そんで、ジミンに練習させて、って頼んだんだよ…キスの」


「は⁇ 」



キスの…練習⁈



「ジミンに頼んだら断られて…でも俺が勝手にキスしちゃったから怒っちゃって…練習してくんなくなっちゃった」



ジミニヒョンとキスの練習…



ってことは、ジミニヒョンのことが好きでキスしてたわけじゃなくて、



他に好きな人がいるのかあ…



僕は脱力して、安堵のため息をついた。よかった。ヴィヒョンと好きな人を取り合うなんて、したくない。


ヴィヒョンはジミニヒョンに怒られたのを思い出したのか、しばらくしょんぼりとしているようだったけれど、ややあって口を開いた。


「だから、ジョングギが練習してくれるんなら…」


「ヒョン」


僕はヴィヒョンの言葉をさえぎって笑った。


「そういうのはやめましょ。キスは本当に好きな人としなきゃ」


ヴィヒョンは一瞬、大きな目をさらに大きく見開いた後、微笑んだ。


「お前ら、同じこと言うんだな」



え…



『お前ら』って…



「ジミンも同じこと言ってた」


ヴィヒョンはくくくっ、と面白そうに笑った。



ジミニヒョンも…



胸が温かいものがじんわりと広がっていく。願わくば、ジミニヒョンがそう言ったとき、考えてくれてたのが僕だったらいいのにな。考えるとすごく会いたくなって、僕は早く宿舎に帰ろうと思った。


「ヴィヒョン、僕は練習してあげられないけど…その人と上手くいくといいね」


僕が親指を立てて見せると、ヴィヒョンはにこ、と笑って「頑張る」と呟いた。