Side JM
ナムジュニヒョンの名前を出すと、ジョングクはぱち、と目を開けた。
「話していいか?」
うう、ナムジュニヒョン、笑ってる…
笑い混じりのナムジュニヒョンの声に、また顔の温度が上がった。
「はいっ、ごめんなさい、何ですか?」
「明日さ、練習の予定だったろ?振り入れの。だけど、取材が入っちゃってさ」
ナムジュニヒョンは、韓国の大手芸能メディアの名前を口にした。
「振り入れは明日までに絶対やっとかなきゃなんだけど、今日夕方の打ち合わせまでに時間あるか?」
「今日、ですか…」
僕は、大人しくなって僕の後ろでベ ッドに座っているジョングクをちらりと見た。
「なんか予定入れちゃった?」
「や、予定は大丈夫です…」
(体が大丈夫ではありません…)と内心続ける。僕は、神妙な顔つきで僕を窺うように見つめているジョングクの肩をばんと叩いた。
「いてっ、何すんのジミニヒョン」
「じゃあ、今日振り入れしちゃいましょう」
僕の言葉に、僕に文句を言っていたジョングクの体はぴくりと反応した。
「よし、じゃあジョングクにも言っておいて。11時からだよ」
「わかりました」
電話を切る。笑いがこみ上げてきて、スマホをジョングクに渡しながら噴き出してしまった。
「結局練習だって。明日取材入ったから、今日振り入れ。11時から」
「本当?はぁ…」
ジョングクは顔をしかめて僕を抱 き寄せると、ぎゅっと抱きしめた。