僕がそう告げると、ジミニヒョンの目が見開かれた。
「え…ずるいよ、お前」
「ははっ、ずるくないです」
僕は先ほどスタッフさんに聞いた明日のスケジュールを伝えた。夕方から打ち合わせだけなのだ。聞き終わったジミニヒョンはしばらく黙っていたが、だんだん口元が緩められるのを僕は見逃さなかった。
「じゃあ…あの…」
「何ですか?」
ジミニヒョンは僕を目を伏せて、もじもじと身をよじって、僕の腕をぎゅっと掴んだり、離したりした。
「その…今日は…いっぱいできる?…シてもいいんだよな…」
ジミニヒョンの「いっぱい」という言葉に僕は思わず噴き出した。
やっぱり、ジミニヒョンは素直で…すごく、可愛い…
「いっぱい、ですか」
「だだ、だって…その…ずっとシてないし…」
頰を染めて、僕を見つめるジミニヒョンの瞳は心なしか潤んでいて、僕はそのまま押 し倒し てしまいたくなった。
でも、その前に…
僕はジミニヒョンに姿勢を正して目を合わせた。
「ジミンシィ?」
「へ、何…」
「昨日、ジニヒョンとお酒飲んでる時、もたれかかっていちゃいちゃしてたでしょ?」
僕がそう言って不満気に口を尖らせて見せると、ジミニヒョンは驚いたような顔になった。
「見たのか…や、なんか、それは…その、さ」
ジミニヒョンは途端に、なぜか照れて身をくねらせた。
「何ですか」
「ジニヒョン意外とがっしりしてて…その…感触が…なんかちょっとジョングガみたいで…すごくジョングガに会いたくなって…」
ジミニヒョンが困った顔でそう呟くから、今度は僕が照れる番だった。
はあ…可愛い…もう抱きしめたい…
でもまだダメだ。勝利まであと一歩。僕はにやけそうになるのをこらえて短く「うん」と答えた。
「で、ジニヒョンに甘えてたんですね」
僕が言うとジミニヒョンは慌てて声を上げる。
「ちがっっ…うくはないけど…」
「ダメだよ。そういうのは…僕だけにしてください」
「あ…」
僕はジミニヒョンの肩を抱き寄せた。
ああ…この感じ…久しぶり…
「うん…」
ベ ッドに腰掛けたまま、ぎゅっと抱きしめると、ジミニヒョンは素直に僕に身を預けて、甘えるように、唇を僕の 首 筋 に押し当ててきた。
あ、こら、そんなことしたら…
「聞いてます?ジミニヒョン、それでね…」
僕は焦った。ジミニヒョンから少し身を離して視線を合わせる。
「何?」
「昨日、僕の部屋…来ましたよね?」