Side JK
「ジョングギがいてくれるもん」
ジミニヒョンは最大級ににこっと笑ったかと思うと、僕の頰に唇を寄せてくるから慌てて引き剥がす。
「もう、もう酔ってるでしょ」
「酔ってないよ〜チューさせろ、僕のジョングギ!」
ああ、今日のステージではあんなに妖艶だったのに…
僕を子供扱いするジミニヒョンの方が子供みたいだ。しなだれかかってくるジミニヒョンを止めようと頰に手を当てると、すでに熱い。広い部屋なのにソファでくっついて座っているから、触れ合う体も熱い。
チューとか…そんなこと言われたら、本気でしたくなるの、わかってるのかな…
「俺にもチュー!」
なぜか離れたところにいたテヒョニヒョンが突然ジミニヒョンと僕の間に割り込んできた。
「わあ、テヒョン来た♡飲もう」
ジミニヒョンは途端にテヒョニヒョンにグラスを持たせる。
「俺そんな飲めないってば」
「俺の酒が飲めないのぉ?」
「飲めんもんは飲めん」
「ふふ」
ああ、やっぱり一番の敵はテヒョニヒョンかな…
テヒョニヒョンに向けて笑顔を弾けさせるジミニヒョンを見て、僕は内心ため息をついた。
宴が深まり、いつもよりよく飲んでいたジミニヒョンはテヒョニヒョンとホソギヒョンに挟まれて眠ってしまった。
「珍しいね、ジミン」
「ですね、いつももっと強いのに」
「ジミニジミニー!起きろー!」
ホソギヒョンがジミニヒョンの耳に唇を寄せて叫ぶと、ジミニヒョンは「ん…」と悩ましげにうめいて目を閉じたままホソギヒョンの顔を押しのけようとする。
「起きないとチューするぞ」
あ…
そう言いながらホソギヒョンは、ジミニヒョンの頰にちゅ、とキスした。
これだもんな…油断も隙もない…
「ふふ、もうしてるし」
テヒョニヒョンが笑ったところへ、ジニヒョンもやってきた。ジニヒョンはジミニヒョンの耳元でおどけて「愛してるよ」と囁いた。ジミニヒョンはその声に反応してうっすら唇を開く。その唇がぽってりと肉感的で、胸の奥も、腹の底も…きゅんとうずいた。
「僕も…愛してますよ…」
ジミニヒョンの甘い声が僕の耳に響いて、胸の奥も、腹の底もますます切なく震えた。
ああ…もう、これ以上、他の人に見せたくない…
ヒョン達にだって…
僕は立ち上がって、ジミニヒョンに近づくと耳元で囁いた。
「飲み過ぎですよ…部屋戻りましょうか」
「ん…ジョングガ…」
答えを待たずにジミニヒョンを抱き上げると、他のヒョンたちから感嘆の声が上がった。
「すごいなジョングク」
「ジミニ落とすなよ」
廊下へ出た僕は僕は少し迷った末、ジミニヒョンを抱えたままポケットを探りカードキーを見つけ出すと、ヒョンの部屋へ入った。