「目、閉じててください」
「なんで」
「恥ずかしくなくなるから」
「ふふ」
ジミンは笑いながら素直に目を閉じた。
(うう…ジミニヒョン可愛い…)
ジョングクはジミンに顔を寄せると、誘うように薄く開く唇を塞いだ。
(どうしよう…)
柔らかく押し付けられたジョングクの唇をジミンは受け入れた。余裕のあるふりをしているつもりだけど、胸がドキドキして、自分の体に覆いかぶさっているジョングクに聞こえやしないかとジミンは危ぶんだ。
「っは…ジミニヒョン…」
一瞬離れた唇からジョングクのかすれた声が聞こえてきて、ジミンはどきりとした。次の瞬間、噛み付くように深く口付けられて息を奪われる。
「ん……っふ…」
絡みあう 濡 れた熱がお互いの息をかき混ぜる。ちゅっ、と上がる水音に耳が反応して、体の温度が上がっていく。ジョングクはジミンを深く貪るように唇を重ねた後、そっと離れた。
「ジョングガ…」
自分を見つめるグクの瞳に、ジミンは見惚れた。
「なんか…僕、やばいです…ジミンシィ…可愛くて…」
ジョングクは眉を寄せてジミンの唇を啄ばむように甘く噛んで、離したり、また軽く噛むのを繰り返した。
「ずっとこうしたかったから…夢みたい…」
そう言って、目を閉じてまた唇を寄せて来るジョングクをジミンは抱きしめた。ジョングクの体も熱くて、ジミンが身をよじると、ジョングクは恥ずかしそうに肩をすくめた。
「ダメです…そんなされると…」
ジョングクが目を伏せて確認する先は、ジミンの体と触れ合っている。そこにはもう熱が集まっている。
(あ、やば、ジョングク可愛い…)
体の内からこみ上げる熱い吐息を我慢するような風情で自分を見つめて来るジョングクにジミンはくらりとなった。
「ジミンシィ…」
ちゅ、と軽く触れるようなジョングクのキスは、遠慮がちにジミンの首へ移動していった。
「っあ…」
ジミンの思わず漏れた声に安心したのか、ジョングクはキスをますます下へ下ろしていく。
(ど、どうしよう…)
ジミンは少し戸惑っていた。ジョングクのことは好きだけど…このままこの気持ちよさに身を委ねていたら、どうなるんだろう。しかし、目の前のジョングクを離したくはなかった。
その時、バタン、とドアが開いて、2人はびくっと反応してドアの方を見た。
「早く終わったー!ゲームしよー、ジミナ…ってあれ?」
「マンネもいるね」
テヒョンとホソクが一緒に帰ってきたようだ。
「何ベタベタしてんの、暑いだろ」
なんの疑いも持っていないテヒョンが、ゲーム機を起動させながら、そう言い、ジミンは焦った。
「ジョングクが怖い夢見たって」
「ちがっ…それはジミニヒョン!」
ジミンがついた嘘に、ジョングクはがばっと起き上がって否定した。
「ジョングクがそんなのって珍しいねぇ。子供返りしたの」
ホソクも面白そうにジョングクを覗き込んでくる。ジョングクは諦めた。
「子供じゃないです」
ジョングクがむうっと、口を尖らせる。ジミンは2人に気づかれないようにそっと、ジョングクの耳元に顔を寄せた。
「ジョングギは…俺のbaby…だから…」
ジョングクが驚いてジミンを見ると、ジミンはいたずらっぽく笑った。
「続きは…近いうちに…しよ」
「…絶対ですよ」
ヒョンらしく決めたつもりだったのに、拗ねたような甘えるようなジョングクの瞳にまたどきりとしてしまって、ジミンは
(ジョングクを好きになんのって…大変だな…)
と内心ひとりごちると、甘いため息をひとつ落とした。
…fin.
第1部終わりです〜
読んでくださってありがとうございました♡
「続き」は第2部で( ´艸`)