BL妄想(ジョングク×ジミン)です
苦手な方は閲覧ご注意ください

第1話はこちらから

















次の日、ジョングクはジミンに声をかける隙を伺っていたが、個別の打ち合わせやダンスの全体練習がスケジュールされていて、なかなか機会を得られなかった。全体練習が終わった後、スタッフの後を追うように部屋を出るジミンにジョングクは慌てて声をかけた。


「あの…今日、一緒に帰れますか?昨日のこと、謝りたくて…」


ジミンは廊下で待っているスタッフを気にしながら、ジョングクに微笑んだ。


「ああ、俺も話したいことあるんだけど…今日これからロケが…」


「ロケ?」


「うん…番組のコーナーで肝試しのロケ…苦手なんだけど…苦手だからアサインされたんだろうな…」


最後はぶつぶつ口の中で呟くように言って、ジミンは苦笑いを浮かべた。ジョングクは思わず言った。


「僕…付いて…行きましょうか?」


「え?」


「あ、その…いないより、いた方がいいかな…とか思って」


慌てるジョングクを見てジミンは目を細め、


「や、いいよ…帰ってなよ」


と言いかけたが、すぐに


「や、やっぱり来て」


と言い直した。


「え…」と表情の緩むジョングクに、「早く、時間あまりないから」とスタッフの声が飛び、2人は慌てて廊下を走った。














肝試しのロケはバラエティ番組で二週連続でジミンがゲストとして呼ばれる回の2回目に放送されるらしい。肝試しスポットとして有名な廃校の、校長室に飾ってある絵を持ち帰ることがミッションだという。大型の移動車に乗って、スタッフの説明を聞きながら、口数が少なくなるジミンの隣で、グクははらはらしていた。


(大丈夫かな…ジミニヒョン…こういうのほんとに苦手なのに…)


説明を終えたスタッフが助手席に戻って行き、ジョングクがジミンを見ると、ジミンは片手をきゅっと握って、うつむいて何か考え込んでいた。


「ね、あの…」


ジョングクが声をかけると、振り向いたジミンの顔が、不安そうで、ジョングクの胸はどきんと跳ねた。


(怖がってるジミニヒョンは正直…すごく可愛いんだけど…)


どうにかして、少しでも、安心させてあげたい。



僕が…


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「あの…僕の手、握ってても…いいですよ」


「え?」


ジョングクが拳を差し出すと、ジミンはきょとんとした顔つきになった。