中学英語のはじめに習うのに大学生になってもイマイチ使い分けがよく分からないものとして、
"a"と"the"の区別があります。中学の定期試験などで英作文をさせられたときに、aをtheとしてしまい減点されてしまったら、
どっちでもええやろ!ムキームキームキー
って言いたくなっちゃいますよね。実際どっちでも文法的に誤りとはいえないことも多いんですが、文脈を考えるとaとtheを区別することはとても重要なんです。何なら、aとtheを区別できているかどうかは文脈を把握できているかどうかの指標となっている、と言ってもいいかもしれません。

【"a"とは?】
aとは何なのかを突き詰めて考え出すと哲学的な世界に入っていってしまいそうですが、まあ要するに「一つの」という意味です。ただ、「一つ」と言っても、特定のもの、こだわりを持って選んだものではなく、ありふれたものをイメージしてください。a pen と言われたら、お父さんに卒業祝いにもらった高級ペン、とか、大学入試に使った思い入れあるペン、とか、そういう特殊なものをイメージするのではなく、世間一般の人が一般的に認知しているペンをイメージするんです(余計に難しいですかね真顔)

【"the"とは?】
theを中学で習う時に、「その」と訳すことを教えられるかと思いますが、大事なのは訳ではありません。場合によっては「その」と訳すと不自然になることも多いです(変な例かもしれませんが、映画の終幕で出てくる"the end"を「その終わり」と訳すとなんだが滑稽ですよね)。大事なのは、theが持つイメージです。そのイメージとはズバリ、「話し手と聞き手で対象が一つに定まるか?」ということです。話し手が the pen と言った場合は、話し手としては「あのペンだよ。あれあれ。分かるよな?」というように、聞き手が一つに限定できるのを前提として話している、ということになります。

実際の例を見てみましょう。
1.He wears scarf.
2.He wears the scarf.
1では、彼がなんの変哲も無い一般的なマフラーをしている、といったイメージですが、2は、聞き手との間に「例のあのマフラーか」という共通認識があります。たとえば、

A「Kenがこの前彼女にマフラーもらったらしいよ」
B「え、Nozomiちゃんに!?いいなぁ〜」
A「え、待って、ちょうどKenが来た!しかも、、あのマフラー巻いてる〜ニヤリ

っていう会話があるとしましょう。(KenとNozomiは最近結婚しちゃいましたねチーンチーン)
このとき、最初に出てきたマフラーは、一般的な意味でのマフラーなので、a scarf と訳しますが、最後に出てきたマフラーは、聞き手との間で「KenがNozomiにもらったマフラー」ということで一つに限定できているので、the scarf と訳すことになります!

やはり区別する上で肝となるのは、特定できるかどうかだと思いますが、それが分かったとしても一朝一夕に上手く使い分けられるようにはなりません。たくさん文を読んだり聞いたりして、欧米人が無意識に使い分けているaとtheの違いを染み込ませることが大事かもしれませんね。では、この辺で!