3年近く応援してきたSady&Mady が遂にCDデビューを果たし、無事、レコ発ライブを敢行。


Vo.&G.の植田は、一時、社会に適応できなくなって、引きこもって、いつも何かに対してイライラしていて、絵を描いたり、音楽を作ることで、何とか生きながらえていた。(このことは、remix4月29日発売号のインタビューにも掲載されている)


でもある時、ふと思ったのだ。彼の状態は、今の子どもたちの辛さを体現しているのかもしれないと・・・。


小中学校の不登校児童は、13万人を超えるといわれる。この数字は、30日連続不登校した人しかカウントされないので、不登校予備軍や潜在的人数をカウントすると、いったいどのくらいの人数になるのだろうと思うほど、多い。


10代のころは優等生で、20代には自分で立ち上げたデザイン会社の代表を務め、手がけたポスターがニューヨークグラフィスポスターANNUALに掲載された彼。


それが、30代、東京に出てきた時に、心がポキッと折れてしまった。


どこからか聞こえてくる、闇にうごめく子どもたちの声を受け止めてしまったかのように・・・。


彼の歌に One"S”Mile という曲がある。


「自殺が増え続ける豊かな国で

 死にたいと思えない程に I LOVE YOU

 

 ・・・中略


 愛と憎しみは仲がいいから

 戦争と平和は愛し合うだろ

 必要ない筈の壁ができたら

 必要ない筈の影ができたよ


 本能は欲望に騙され続け

 希望は絶望に追われ続ける

 必要ない筈の答えができて

 必要ない筈の間違いができた


 バレエシューズを履いたまま

 痛み堪え笑ってみる

 アンタ笑うその場所へ

 壁の向こうSend mail your heart」


 Sady&madyの歌の中でもとても好きな歌。


 この歌聞くと切なくて、胸が痛くなる。


 叫べない子どもたちが、痛みこらえながら、

 笑っている・・・そんな気がしてしまう。


 今、息子(小4)のクラスには、すでに不登校になって1年の子がいる。

 今年中学に上がった娘の学校には、入学式と同時に5人の子が不登校になった。


 どんどん増え続ける行き場のない子どもたちが

 彷徨いながら、でもいつか、また人とつながれることを願ってしまう。


 彼は、4年ちかい年月を悩み苦しみながら、ようやくトンネルから抜けて出てきた。

 彼には、一番近くにいた友人がずっと見守り続けてくれた。辛抱強く、温かく・・・。

 

 その姿が嬉しくて、土曜日は、胸がいっぱいになった。


 人間は傷つきやすい。それでも自分でその傷を乗り越えるしかない。


 恐怖や不安は常に付きまとう。


 だけど、それに打ち勝てる心は自分で育てるしかない。


 周りは応援してくれるけど、最後に立ちあがるのは自分自身。


 彼は立ちあがった。最後に嬉しそうな彼の顔を見て、また、嬉しくなった。


 彼の歌が、そんな子どもたちにも届いて、

 そんな子どもたちが、もう一度、歩き始めてくれたら~。


 そんなことを願っています・・・。