私たちは男女雇用機会均等法世代。
古い慣習、しきたり、しがらみを残したまま、制度だけの男女平等がスタートした。
もちろん職場は混乱した。
今では考えられないことだが、私たちのちょっと前まで、男女平等の仕事は、教師か、医者しかないと言われていた。
それが、いきなり男女平等だ。私は、最初、旅行会社に勤めたのだが、そこだって、女性社員は添乗にも出さなかったし、営業も男性のみだった。
それなのに、接客がどうも合わない私は、自ら営業を志願してしまった。向こう見ずな性格はこの頃から、変わっていないようで・・・。
何も期待されていない私は、近隣セールスからスタート。男性は、みなルートセールスで、法人企業を担当していた。私ひとり、飛び込み営業。これでもかってほど、痛めつけられた。支店長をはじめ、男性上司は、何も期待していないから~という冷めた態度で扱われた。
その時、得た貴重な体験。
常識に縛られて、「女性の営業が来るなんて」と、あからさまに怒った人もいたが、「小さな課内旅行だけど、お願いできますか?」と仕事をくれた人がいた。誰もが知っている外資系の大手企業だった。
社員旅行や研修旅行は、お決まりの旅行代理店に頼んでいたが、10人ほどのレクリエーション旅行をどうしようかと思っていたところだったそうだ。
これが私にとって、初めての受注先となった。私の支店の上司たちは、社員旅行や研修旅行は、別支店の団体課が担当している会社だったため、最初からセールスにも行ったことなかったという。
十数人の小旅行とはいえ、営業なんて無理と思っていた支店長や男性営業マンたちは、ひっくり返った。
今じゃ、当たり前のような話だけど、20年前はそんな時代だった。
長く仕事をしていると、先入観で最初から、トライしないことがある。どうせ無理に決まっているとあきらめてしまうこともある。
でも、常識に縛られていては、新しいことは何も生まれない。
頭でっかちになる前に、動いてみることも大切。
もちろん、この年なりの戦略も必要ではあるが・・・。
どこに需要があるのか。今の私にできること、私だからできること。
もう少し、あの頃の気持ちを思い出しながら、トライ&エラー続けてみよう。