先週末、1日だけの復活を果たしたジュリアナ東京。

テレビで流されたお立ち台を目指し、聖地に乗り込んでいったかつての

女子たちを見て、なんだか、不思議な感覚に陥っちゃった。


もちろん、自分だけ、関係ないわって顔するつもりも

ありません。私も考えてみれば、少なからず、

バブルの恩恵を味わったし、今思えば、あんなに

若くして、贅沢な遊びやはちゃめちゃな生活が送れたのは、

バブルのおかげ! けっして、無駄だとも思っていないけど・・・。


でも、どうして、あんなに浮かれていられたんだろう?

なんで自分が世界の中心にいるような錯覚に陥れたんだろう?

すべての基準がなんで、自分たちの価値観だけだったんだろう?


ミーイズムからゴーマニズムまで、普通の人々の

私たちが、何か特別なもののように思い込めた時代・・・。


あれも一つの集団心理だよね~。


一緒に見ていた娘に「私がああやって、踊ってたらどう?」と

尋ねると、すかさず「恥っ(はずっ)」の一言で片付けられちゃった。


でもなぜか、あのミラーボールと雄たけびのようなDJの声を聞くと、

身体の中がうずくんだよね~。パブロフの犬状態だ。

頭ではなく、身体が反応する、まさに洗脳!

私はお立ち台にはあがっていませけど・・・。


集団心理って、みんながやっているから私も・・・という

安心感だけでなく、群集でやることの高揚感ってのがあるんだよね。

これって結構怖いんだけど。


などと思っていたら、昨日「イキガミ」という映画の試写を見た。

ストーリーは、かなりシビア。


国家繁栄維持法という名のもとに、小学校に入る直前、子どもたちは予防注射を打たれ、

そこには、ナノカプセルが仕込まれ、18歳~24歳になる頃、体内で破裂するようになっている。

「死」に直面することで「生命の価値」を上げ、国民の意識を高めるというのが、狙い。

国家の戦略で、1000人に一人の命が毎日奪われていく・・・。


松田翔平君演じる厚生保険省の役人が、配達人となり、死亡する24時間前に本人に死亡予告証を届ける

んだけど、突然の死の宣告にそれぞれの若者たちが、狂いそうになりながら、大切なものを思い起こしたり、

見つけたり、守ったりしていく・・・というストーリー。

詳細は、こちらを

http://www.ikigami-movie.jp/index_pc.html


これも集団心理ってやつで、役人のほとんどの人は疑問も感じなくなっているし、国民も、自分に降りかからない

限り、無関心。でも、絶対に自分の周りに起こらないとは限らないわけで、そうなったときの、それぞれの24時間が描かれている。


役者がうまいのもあったし、映画に流れる主題歌がまた、切ない。本当に大切なものが見えなくなっている

時代、なかなか考えさせられるテーマだった~。もち、号泣。


でもね、最近のニュースをにぎわしている「事故米」。あれだって

冷静に考えれば、規定値以上のメタミドホスが検出されたり、

かびが発生したりしていたものを、流通し、私たちがどこかで食べているかもわからないんだから

知らぬ間に、カプセルを体内に仕込まれた「イキガミ」の話しとなんら変わりないわけで。

憂鬱な気分になっちゃった。

イキガミを、単純に映画として楽しめる時代は過ぎ去ってしまった・・・。


10年で様変わりした日本。今後10年、日本はどこに向かっていくのだろう?


集団心理に踊らされることなく、

ちゃんとみんなが自分自身で考えなきゃ、いけないときに来ているんだな~と思う。


そんなことをボーっと考えていると、

娘に以前言われた「でも、将来を作ってくのは私たちだからさ・・・」という言葉を思い出した。


娘よ! バブル時代を見て、「恥っ」と思った気持ちやばか母を反面教師に、

どうか、くもらぬ視点で、人生を斬り拓いてってほしい!


頼んだぞ、これからのニッポン!