ネコは告げる
「天国に行くお手伝い」をするネコ
ロードアイランドのプロヴィデンスにある介護施設――ネコのオスカーがここの入居者のもとを訪れると、施設スタッフの間には緊張が走る.......... ≪続きを読む≫
ロードアイランドのプロヴィデンスにある介護施設――ネコのオスカーがここの入居者のもとを訪れると、施設スタッフの間には緊張が走る.......... ≪続きを読む≫
ネコの行動は、何か、生化学的なことがらへの反応であるとしても、それが、患者のそばにやってきて、まるくうずくまって、傍にいる、というかたちでなくてもよかったはずなのです。
こういうかたちで示された反応に、意味を見出すのは人間の側であり、それに、どのような意味づけをしてもよいのに、「天国に行くお手伝いをしている」と、表現され、それが、話題となるのは、そのことに人間が救いを見出しているからだとも言えます。
何かわからないが、科学的に合理的な理由があるはずだ、ということで、現代の科学の範疇にないからといって、あるロジックの立場からは、十分理にかなった説明を全面的に排除することは、危険ですらあります。
多くの動物に触れてきた人物の経験則は、それだけで重んじられてもよいはずです。
『大丈夫だよ、心配しなくてもいいんだよ、死は、それ自体で実は快適なものなんだ』と、オスカーは患者の意識に告げてはいないなどと、その交流の外側にいる人間には、判断する権利はない、と思われるのですが。