手術日が決まり、入院して開頭手術を受けた。術後の経過は順調で、約1ヶ月で退院した。
しかし、その後、手術後の抑うつ症状が深刻化した。
研究によれば、側頭葉てんかんの手術を受けた患者のうち、約10%から40%が手術後に抑うつ症状を経験し、自殺企図を認めることもあるという。これが3ヶ月から9年続くことがあると報告されている。

私はとにかく焦っていた。
術後の抑うつが苦しい中、まず入院中に遅れた勉強に追いつかなければならなかった。
私が通っていた高校は偏差値61程度で、ほとんどの生徒が大学進学を目指しており、高卒で就職する人はほぼいなかった。私は不安に駆られながら、がむしゃらに努力した。どうすれば良いのかわからなかったが、がむしゃらに努力した。

私は毎日メモ帳に自分への手紙を書いていた。

「大丈夫。いつか報われる日がくるよ。大丈夫。今はすごく辛いけど、大丈夫だよ。頑張ろうね」と、自分で明日の自分を鼓舞する手紙を書いていた。

誰かに言ってほしかった言葉を、自分で書き、自分で読む。そうしないと、踏ん張れなかった。

気がつけば、16歳になっていた。
首藤はるか