前の記事と重複するが、幼い頃、兄に毎日のように硬い家具で頭を殴られ続けた。(母曰く、子どものよくあるけんからしい)
親に湯船に顔を沈められ窒息状態になった。
それらが原因で、海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかんを発症した。
私は今でも月に一度、脳神経外科に通っている。
海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかんは、(人によって違いはあるが、私の場合は)一生治らない。
病気の焦点を切除しても、白でも黒でもない「グレー」の部分があるのと、病変が薬剤抵抗性だからだ。
脳波異常は薬を飲んでもおさまらないので、異常脳波が発生するたびに、脳はダメージを受け続ける。これからも、ずっと。
病院に通うたび、苦しい気持ちになる。
時間もお金も削られて、交通費も馬鹿にならない。
あの頃の痛み、恐怖、理不尽さが毎月まるで再生されるように頭の中に戻ってくる。
兄は、そんなことすっかり忘れてるだろう。
まるで何もなかったように、健康で、結婚をして、子どもを作って、家を購入して、
「普通の真面目な人」の顔をして◯玉県庁で公務員として働き、順風満帆に生きている。
それを考えるたびに、とても複雑な気持ちになる。
なぜ私だけが、精神的にも身体的にも、そして経済的にも、
こんなに長く、重い負担を背負い続け、加害者である兄はなんの罰も受けず生活しているのか。
答えなんて出ない。
そして、そんなふうに考えてしまう自分が、また嫌になる。
誰かを憎んでしまう自分。
心が狭い自分。
「昔のことなんだからもういいじゃん」と
笑って言えるほど、私は強くない。
首藤はるか