私は今まで、自分の過去について詳しく語ることを避けてきた。

病気のこと、家族のこと、自分が抱えてきた苦しさについても、
人に話したところでどうにかなるわけではないし
むしろ「甘え」「怠けてるだけ」と受け取られるのではないかと思っていた。


実際、今も苦しさの真ん中にいる。
体調は悪い日が多く、身体も心も、思うように動かない。
立ち上がろうとするたび、また沈んでいくような日々の連続だ。
でも、そんな今だからこそ、過去に触れてみようと思った。
過去をきちんと見つめることが、今の私の心身を立て直し、生きていく上で必要な気がした。

私は長い間、誰にも気づかれず、理解もされずに、この「海馬硬化症を伴う内側側頭葉てんかん」という病気と共に生きてきた。

苦しくて、何度も投げ出したくなったけど、それでも、どうにか前に進もうとしていた自分が確かにいた。その姿を、誰にも認めてもらえなかったけれど、せめて今の私だけは認めてあげたい。そう思うようになった。

私が抱えている側頭葉てんかんのように、外見からはわからない病気や障害は、一見すると健常に見えるため、その大変さが伝わりにくい。社会での認知度も非常に低く、理解されないことも多い。

社会的に理解を得にくい状況のなかで感じた孤立や恐怖は、語られる機会が少ない。

どこにも居場所がないと感じたこと。努力しても報われないと思ったこと。病気によって、それまでできていたことができなくなる恐怖、生活が狂わされていく恐怖。

そうした感覚は、誰にでも話せるものではないし、話せたとしても伝わるとは限らない。
だからこそ、こうして文章にして、誰かの目に触れる場所に置いておきたいと思った。

このブログは、同情を求めるためのものでも、誰かを責めるためのものでもない。ただ長い間心の奥に押し込めてきた思いを形にしてみようと思った。

首藤はるか