愛の選択<スピンオフ>〜愛すべき迂達赤編〜 | 信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

シンイの二次小説を書かせて頂いております。
読み終わった後に、心がほんわかあったかくなるような、物語を綴っていきたいです。

「3人とも…家族の者たちは無事か?」

「はっ!大護軍!お陰さまで全員無事でした!」
チュンソクは、母親のハウンを迂達赤に預け、チェ・ヨンの元へ歩いてきた。

「怪我は?」

「いえ!皆、無傷でした!大護軍!これを!」

チュンソクは手に持っていた小瓶を、大事そうにチェ・ヨンに渡した。

チェ・ヨンが小瓶の中身を確認すると、何も入ってはいなかった……

小瓶が手から滑り落ち、砕け散った。

やはり…俺の命が狙いだったのか…だが、これでイムジャの命を奪うつもりで無い事がはっきりした。やはり…今回の目的はイムジャなのだな…どうか…ご無事で!

「此度のこと、悪かったな…お前たちの家族を…危険に晒してしまった。本当にすまなかった」

チェ・ヨンはチュンソクに頭を下げた。

「大護軍!おやめください!悪いのは徳興君です!早く医仙様をお助けに参りましょう!」

「お前たちはここに残れ!家族の者と過ごせば良い…」

「そんな訳には参りません!大護軍は、一刻も早く医仙様の搜索にあたりたいであろうに…我らの家族を先に救って下さった!そんな我らが、医仙様を助けに行かぬなどありえぬ事!医仙様は我らにとっても大切なお方なのです!」

「そうです!俺たちも医仙様の救出に参ります!!」
いつの間にか横にいた、トクマンとチュモが声をあげた。

チェ・ヨンは、熱くなる目頭を瞼を閉じてやり過ごす…

「すまぬな。アンジェ!後を頼む!俺は妻の救出に参る!」

「人手は足りているのか?いくらでも貸すぞ?」

アンジェは、ここ数日で少し細くなったチェ・ヨンの肩に手を置き、グッと力を込める。

「いや…お前の部下を危険には晒せん。大丈夫だ。よし!チョンス!案内せよ!皆!これより我が妻の救出に参る!危険だと思えば逃げよ!俺もイムジャもお前達の犠牲の上に立ちたくはないのだ!良いな?怪我もないよう気をつけるのだぞ!」

「はっ!」
全員が颯爽とその場に頭をたれ跪く。

皆の思いは一つ…ウンスの無傷の救出…この二人の仲睦まじい姿を思い出し誓い合う。必ず助け出してみせると!



*************



「大護軍…この旅館の2階に捕らわれておるようです。見張りにつけた二人に聞いたところ…誰も出てきていないようなので、中におるかと」

チョンスが小声で話す。

皆は、旅館から少し離れたところに陣を置いた。迂達赤の服のまま来てしまったのでかなり目立ってしまうのだ。

「良し!3組に分ける!あそことあそこの入口をお前たちが守れ!チュンソク、テマン、トクマン、チュモは俺と2階へ!お前達は、2階の入口にいろ。あまり大勢だと刀が振るえぬ。良いな?」

チェ・ヨンは小声で指示を出した。

「大護軍!殺してはなりません!堪えて下さい!」
辛そうに、眉間にシワを寄せながらチュンソクが答える。

「…わからん…良し!行くぞ!」


__________足音を立てずに戸口に近づくと、中からガタっと音が聞こえてきた。この時の大護軍は後から思うても…まさに鬼神のようであった。

音がするのと同時に、大護軍が戸を蹴破り中に入ると、眩い光の中にキラキラと輝く医仙様が…本当に天女のように窓辺に立たれていた…喉に小刀を当てながら…そのお身体は陽の中に溶けて真っ白に見える…何も衣を身につけておらぬようであった。まさか徳興君のやつが?

我らが、医仙様のあまりの美しさに見惚れていると、大護軍は鬼剣を黒い衣の男に投げつけ、徳興君の顔を殴りつけた!口から血しぶきが吹き出している!

当たり前だ!俺たちの医仙様にこのような仕打ちを!!

大護軍は、更に倒れた徳興君の上に跨り、力の限り顔を殴りつけている!ボキっと嫌な音がした…どうやら鼻の骨が折れたようだ!見る見る顔が腫れ上がっていくのがわかる!

黒い衣の男が、大護軍に切り掛ろうとするも、既の所でトクマンが長槍で刀を払いのけ、男に斬りかかる!

い、いかん!気持ちは俺とて同じ思いだが…このままでは王命に逆らい殴り殺してしまうだろう!

「大護軍!なりませぬ!このままでは死んでしまう!王命には逆らえません!大護軍!」

だめだ!全く耳に入っておらんようだ…だが、あと数回殴らせて差し上げよう…そろそろ徳興君も意識を失う頃だろう。大護軍に本気で殴られたら生きているのが不思議と言うもの…そろそろ頃合か?

チュンソクはチェ・ヨンを後ろから羽交い締めにする。
「大護軍!もうおやめください!こやつ、死にますよ!それより医仙様を!!」

「はぁはぁ…王命などくそくらえだ!離せ!イムジャ!イムジャ!」




__________来ないでとは…どういうことだろう…医仙様は大護軍がわからぬようである…この男に何か薬でも?このような時なのに…本当にお美しい…チュンソクが横を見ると皆、ウンスの裸体に釘付けであった。

「イムジャーーっ!」

「、医仙様!大護軍!」

俺は一瞬何が起こったのか理解できなかった。テマンが目の端に止まり、窓から飛び降りようとしているではないか!

「おいっ!待つんだっ!」

俺は襟首を掴むと、思い切り後ろに放り投げると大きな音を立て転がった。

その時、水音が聞こえ、皆で慌てて窓から下を除き見る!

湯の中に、沈みかけている二人の姿がそこにはあった…

「急げ!早く助けに行くんだ!テマン!飛び降りるんじゃない!馬鹿者が!おい!奴らはどうしたのだ!消えたぞ?お前たち、徳興君を必ずや捕まえろ!逃がすんじゃないぞ!」

「はっ!」

部屋の外へ出ると、皆倒れていた…だが生きているようである。

「皆!急ぐのだ!早く二人を引き上げよ!」



風呂に落ちた二人のもとへ行くと、湯の中で大護軍が医仙様のふくよかな胸を抱いていた。このまま引き上げても良いものだろうか…

先に着いた奴らが、医仙様のお身体に触れて良いものかと、手を出せずにいた。

チュンソクは、湯の中にざぶざぶと入ると、見ないように顔を背けながら、チェ・ヨンの身体の上に浮かぶウンスに自分の着物を被せた。意識を失っているはずのチェ・ヨンの腕は、少し抵抗をしていたが、チュンソクは構わずウンスを引き剥がし抱き上げた。

「おい!早く大護軍を引き上げよ!」

皆がウンスに見惚れ、視線を奪われていた…

「あっ!はい!おっ!重い!く~っ!」

3人掛りで引き上げ、トクマンがチェ・ヨンを背中に担ぎ、よたよたと旅館の中に運び入れる。

ウンスの濡れ髪が花の香りと共に、チュンソクの腕にまとわりつく。青ざめた顔を見ると、あの木にぶつかった筈なのに、無傷であった。その代わりチェ・ヨンはと言えば…出ている肌と言う肌すべてが、傷だらけではないかと思うほどであった…

あの高さから落ち、二人共無事であったとは…チュンソクは、チェ・ヨンのウンスへの想いに胸が熱くなった。

「おい!早く徳興君を捕えよ!この町から出すんじゃないぞ!」

「はっ!」


***********


数日後…結局徳興君を発見することが出来なかった…大護軍から本日開京へ帰還するとの命が下る。一番悔しいのは大護軍であろうに…

次にどこかであの男に出会った時…迷わず某が切り捨てましょう!大護軍のお手を煩わせるような男ではない…

大護軍の腕にご自分の腕を絡めながら、医仙様が大護軍をにこやかに見上げている…あぁ…あのお方はなんとお美しいの…ん?はっ!?こ、これはっ!どうしたことだ?

「あっ!チュンソクさん!鼻血が出ているわよ!ちょっと大丈夫?あら…みんなも?どうしたのかしら…鼻のここを抑えて」

ウンスが、花の香りと共に近づいてくる。こちらに来るのはおやめください!医仙様!

ウンスの身体の感触が腕の中にまざまざと思い出される…手のひらに当たった胸の柔らかな感触まで…

「だ、大丈夫でございます!皆も頭に血が上り、のぼせただけでしょう…」

「イムジャ!こちらへ!」

チェ・ヨンはウンスをチュホンに乗せると、迂達赤を集め小声で呟いた。
「皆には感謝しているが…あの事だけは記憶から消し去るのだ。良いな?出来ぬようなら…俺がお前達の記憶を消し去ることも出来るのだが…」
と、雷攻迸る拳を握り締め、脅しをかけることを忘れない…我らを震え上がらせる…

「はっ!て、大護軍!な、何の事でございましょうか?皆!騎乗せよ!」



_________開京へ帰還後も…この鼻血は迂達赤の間で続いていた…記憶から忘れ去ろうとすればするほど、はっきりとウンスの美しい裸体を思い出してしまうのだ…

ウンスは迂達赤の間で流行っているこの謎の鼻血を、何かの病の前兆かと心配して兵舎を幾度となく訪れていた。もちろんチェ・ヨンに逢いたかったからでもあるのだが…

い、医仙様…頼みます!しばし我らをほっておいて下さい!大護軍がこめかみに青筋を立て、拳を握り締めているのが見えませんか…

見えませんよね…医仙様が振り返ると別人のような顔をされる…

我らはまだ、死にたくはないのです…あっ…クソ!また鼻血が…

________こうしてしばらくの間…迂達赤の鼻血との戦いは続いたのだった…





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皆様おはようございます
今日のお話は、ウンスの裸体を見た

迂達赤のその後を是非

と、言われ書いてみたのですが
・・・・

本当は今日はあとがきの予定だったのです
ビックリ
明日に持ち越し
喜びの棒人間
ごめんね
ごめんなさい
どSのm様
アハハ

と、言う事で
愛の選択<スピンオフ>
~愛すべき迂達赤~を番外編として
お届けいたします
Wハート
ちょっと長くなってしまいましたガクリ
にまっと笑ってもらえたら
笑9
嬉しいです
!!

今日で3月も終わり
顔に縦線2
早いですね~
決算の方も多いのかな
今日は棚卸です
えー

熱でも出やがれってんだと思っても汗
丈夫な体、ここにありですサー・・・・ッ

では今日も一日
ファアイティン