66.懐友 | 信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

シンイの二次小説を書かせて頂いております。
読み終わった後に、心がほんわかあったかくなるような、物語を綴っていきたいです。

「あ!?あなた…トギ!?トギじゃないの!?」
ウンスは、目を見開いて大きな声で叫んだ。

____なんと、振り返りウンスを見つめ返しているのは、あのトギであった。ウンスが見慣れていた服装とは違い、チマチョゴリを着ていたので、全くわからなかったのである。

トギは目に涙を溜め片手でウンスの手を掴み、もう片方の手で一生懸命手話を使い、言いたい事を伝えようと必死だった。

「なに?トギが?このようなところで何をしておるのだ?トギの本貫はかなり遠くのはずだが…おい!そこの!この男を役所にしょっ引いて行ってくれぬか?」

チェ・ヨンもこの開京の町にトギが戻っていたことに、驚きを隠せない様子だった。


「えっ?何?トギ!落ち着いて?テマン君がいればよかったわね…あなた達二人は何か通じ合うものがあるから…ん~あっ!そうだ。筆談すればいいのよね!ねえチェ・ヨン…マンボさんのお店に行きましょ?」

「ええ。それが良いかと。トギ、良く戻って来たな、ほら荷物だ」

チェヨンは目元を綻ばせ、ポンと荷物をトギに投げた。

ありがとうと口と手を動かすと、早く行こうとウンスの手を引いて歩き出した。

*********

3人がマンボの店に来ると、スリバンの皆も集まってきた。ニヤニヤしながらどうだい?新婚生活は?おめでとうと皆が口々に二人をからかう。

あの一人を除いては…
「もう、あたしを差し置いて、とうとう医仙と夫婦になっちゃたのね?あたし側室でも愛人でも良いわよ~」

と、チェヨンの腕に触れようとして、叩き落されていた…


「皆さん、本当にありがとう…これからもチェ・ヨン共々どうぞ宜しくお願いします!マンボさん!とりあえずクッパ3つ!あと筆と紙をお願いします」

「はいよ!ちょっと待ってな。……医仙や、もう一度言わせてくれるかい?ヨンを頼んだよ?こいつの笑顔を取り戻してくれて…ありがとう」

「はい!任せておいて!ふふ」

微笑むウンスの横顔を、照れくさそうにチェ・ヨンは見つめていた。ウンスが振り返り、チェ・ヨンと視線を絡ませ微笑みあう。見ている事を悟られぬよう慌てて下を俯いていた日々が懐かしい…


________二人の目の前で、黙々と食べるトギ…

大食いのウンスですら大きく口を開け、唖然としていた…これで何杯目であろうか…よほどお腹がすいて居たようである…

「トギ?お腹大丈夫?何杯食べても良いけど…お腹壊さないでね?」

それを聞いたトギは、嬉しそうに頷きながらお替りを頼んでいた……

ようやく落ち着いた様子のトギに筆と硯、そして紙を渡す。

「トギ、言いたいことを紙に書いてくれる?ごめんね?」

トギはわかったと頷いた。

「えっと、病気のお母様はどうされたの…?」

ウンスは、聞かなくてもなんとなくわかっていたのだが…敢えて聞いたのである。

トギは泣きそうな顔をしながら、紙に書き出した。

「イムジャ…3月ほど前に亡くなってしまったようです…今まで一人で本貫の地に暮らしていたが、先日…開京へ戻る途中の我らの噂を聞きつけ、すぐに医仙が戻ったのだと気付き、後を追ってきたようです」

「そうなの…トギ一人でよく頑張ったわね…行ってあげられなくてごめん…あら?そう言えばトギのお父様は?」

と、トギの肩に手を置いた。

トギは、父親の事を聞かれると、紙の上から筆が進まず、墨がぽたぽたと紙を汚していく…その様子にただならぬものを感じ、

「トギ、話したくないのなら良いのよ。ごめんなさい、辛いことを聞いてしまったようね」

トギは、ウンスを見つめ首を横に振ると、思い切った様子で紙に書き出した。

「父親は、何?誠か?トギ…辛かったな…」

「どうしたの?何が?」

「トギがまだ小さき頃、凍った湖の上で遊んでおると氷の薄い所があり…割れて冷たい湖に落ちてしまったそうだ。そこを父親に助けられ…父親の方は、そのまま深い湖に今も沈んでいるのだと言う…大声で泣いても叫んでも誰も来てくれず…自分の声など誰にも届かない…こんな己の声など必要ない…父親を死に追いやったのは自分だと…その次の日から…トギは声を殺したんだそうだ…」

聞いていたウンスの目から涙が零れ落ちた…

「トギ…あなた声が…精神的なショックが大きすぎて失声症になってしまっていたのね。ねぇ、聞いてトギ。お父様の事はあなたのせいなんかじゃないわ。だからそんなに自分を責めないで…」

ウンスは泣いてるトギを胸に抱きしめた。いつもチェ・ヨンがしてくれるように、トギの背中を落ち着くまで叩いてあげたのだ。

「ねえ、トギ…帰ってきてくれたって事は、また典医寺で働いてくれるってことよね?違う?」

トギはうんと頷いた。

「良かった!じゃぁ。善は急げよ!王様に頼みに行きましょう!あっ?その前にテヒさんの消毒に行かないと!トギここで待っててくれる?あなた行きましょ?」


********


3人は王様の許可も貰い、トギはめでたく典医寺で今まで通りに働けることになった。

「トギ、良かったわね!前あなたが使っていた部屋を使って!足りないものは紙に書いてくれたら、私が揃えておくわ…それから…驚かないで欲しいんだけど…侍医が少し変わっているの。お尻には気をつけてね?ふふ」

トギが自分のお尻を触りながら、首を傾げ不思議そうな顔をする。

「イムジャ!あなたもだ!全くあの助平爺ときたら!」

「呼んだかえ?」

「きゃ~もう!驚かさないで下さい!あっ!パク先生、この子は前にここで働いていたトギと言うの!またここで働くことになったのでよろしくお願いします!今は話す事が出来ないけど、耳は聞こえているわ!薬草にとっても詳しいの。トギ、この人がパク侍医。少し変わった方だけど凄い方よ…二人とも仲良くね」

「可愛い子じゃのお~…どれどれ…ふ~む…そうか…なるほどの~」

と、トギの身体を上から下まで眺めている。

「先生!ちょっとこっちに!」

ウンスが手を引いて外へ連れて行く。もちろんすぐ後をチェ・ヨンが追いかける。

「先生…お願いがあるんだけど……」

と、ウンスが話し出した。二人は黙ってその話を聞いていた。

「わかった、お安い御用じゃ!わしに任せておけ!」

「イムジャ…大丈夫ですか?この侍医にそのような事を…トギが怒るのでは?」

「ふふ、試してみる価値はあると思うのよ!一度だけ?ねっ?お願い?」

俺がこの顔に逆らえんことを知ってやっておるのか?この方は…

「はぁ…わかった。じゃぁ侍医頼んだぞ!」

「楽しみじゃな!ふぉふぉふぉ」

_____「トギ!ごめんね。お待たせ!部屋は片付いたわ。どうぞ」
と、侍医に目配せをする。

ニヤッと笑った侍医が、いきなりトギのお尻に触れた!

トギは低い“あ~”という声を振り絞るように出し、振り向きざまに勢い良くバチンと、パク侍医の頬を叩いた!

トギは顔を真っ赤にして怒っている!

「きゃ~!大成功!トギ!声が…あなたの声が…いつか聞けるかもしれないわ!頑張りましょう!」

ウンスはトギの手を取り喜んでいる!

「イムジャ…あなたと言う人は…」
我が妻ながら、本当に凄い方だ…

一人、割を食ったのはパク侍医かと思いきや…何故か殴られて喜んでいたのである。

「…わ、わしを…このわしを殴るとは…なかなかの女子じゃのぉ!これからが楽しくなってきおったわい!ふぉふぉふぉ」



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この方であってますか?
イ・ジュンギさん&ミノ


皆様こんにちは
今日は再度御礼を
いいねが凄いことになっておりまして
感激してます
皆様、本当にたくさんの
元気玉ありがとうございます
過去記事にまでいいねを下さって
本当に嬉しいのですが
わざわざ戻られなくとも大丈夫ですよ
皆様の温かなお気持ち
ちゃんと届いています
ありがとうございます


沢山の元気玉を頂き

昨日は深夜3時まで
頑張っていたのですが
ヨンとウンスはまだ<もなか>(最中)で
ございましてなかなか終わりませぬ
今夜、もしくは日付が変わった辺りに
更新できるかなぁ、どうかなぁ
がっつりとあっさり、はたまたふんわり
どのRがお好みかしら
今ならまだ変更可能
どしどしご意見を!?


頂いた元気玉のお礼をと
仕事中に本編をちゃちゃっと書きました
お忘れの方は前のお話からどうぞ
急いで書いたので
誤字脱字
変なとこあったら教えて下さい
ね?元気玉いただくと
頑張れちゃうので
ございますよ


そしてトギ

過去からのレターにも出てないのに~
思ったのですが…
出しちゃいました
なぜ、トギが他の二次作家様の所にも
あまり出てこないのかと言えば
声が出ないから書きにくいのですヨン
たぶん…
そこは筆談、他の誰かに
台詞を言ってもらうことに
トギがウンスの側に
見えますか?
見えたなら大成功かな?

そして、私はトギを話せるようにしたい
小説本に“耳は聞こえているようだ”と
書いてあったので
これは話せるかも…
そこから考えたお話です
長くなりました
では
午後からもアジャ




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