ウンスは、目を見開いて大きな声で叫んだ。
____なんと、振り返りウンスを見つめ返しているのは、あのトギであった。ウンスが見慣れていた服装とは違い、チマチョゴリを着ていたので、全くわからなかったのである。
トギは目に涙を溜め片手でウンスの手を掴み、もう片方の手で一生懸命手話を使い、言いたい事を伝えようと必死だった。
「なに?トギが?このようなところで何をしておるのだ?トギの本貫はかなり遠くのはずだが…おい!そこの!この男を役所にしょっ引いて行ってくれぬか?」
チェ・ヨンもこの開京の町にトギが戻っていたことに、驚きを隠せない様子だった。
「えっ?何?トギ!落ち着いて?テマン君がいればよかったわね…あなた達二人は何か通じ合うものがあるから…ん~あっ!そうだ。筆談すればいいのよね!ねえチェ・ヨン…マンボさんのお店に行きましょ?」
「ええ。それが良いかと。トギ、良く戻って来たな、ほら荷物だ」
「えっ?何?トギ!落ち着いて?テマン君がいればよかったわね…あなた達二人は何か通じ合うものがあるから…ん~あっ!そうだ。筆談すればいいのよね!ねえチェ・ヨン…マンボさんのお店に行きましょ?」
「ええ。それが良いかと。トギ、良く戻って来たな、ほら荷物だ」
チェヨンは目元を綻ばせ、ポンと荷物をトギに投げた。
ありがとうと口と手を動かすと、早く行こうとウンスの手を引いて歩き出した。
*********
3人がマンボの店に来ると、スリバンの皆も集まってきた。ニヤニヤしながらどうだい?新婚生活は?おめでとうと皆が口々に二人をからかう。
あの一人を除いては…
「もう、あたしを差し置いて、とうとう医仙と夫婦になっちゃたのね?あたし側室でも愛人でも良いわよ~」
*********
3人がマンボの店に来ると、スリバンの皆も集まってきた。ニヤニヤしながらどうだい?新婚生活は?おめでとうと皆が口々に二人をからかう。
あの一人を除いては…
「もう、あたしを差し置いて、とうとう医仙と夫婦になっちゃたのね?あたし側室でも愛人でも良いわよ~」
と、チェヨンの腕に触れようとして、叩き落されていた…
「皆さん、本当にありがとう…これからもチェ・ヨン共々どうぞ宜しくお願いします!マンボさん!とりあえずクッパ3つ!あと筆と紙をお願いします」
「皆さん、本当にありがとう…これからもチェ・ヨン共々どうぞ宜しくお願いします!マンボさん!とりあえずクッパ3つ!あと筆と紙をお願いします」
「はいよ!ちょっと待ってな。……医仙や、もう一度言わせてくれるかい?ヨンを頼んだよ?こいつの笑顔を取り戻してくれて…ありがとう」
「はい!任せておいて!ふふ」
微笑むウンスの横顔を、照れくさそうにチェ・ヨンは見つめていた。ウンスが振り返り、チェ・ヨンと視線を絡ませ微笑みあう。見ている事を悟られぬよう慌てて下を俯いていた日々が懐かしい…
________二人の目の前で、黙々と食べるトギ…
大食いのウンスですら大きく口を開け、唖然としていた…これで何杯目であろうか…よほどお腹がすいて居たようである…
「トギ?お腹大丈夫?何杯食べても良いけど…お腹壊さないでね?」
「はい!任せておいて!ふふ」
微笑むウンスの横顔を、照れくさそうにチェ・ヨンは見つめていた。ウンスが振り返り、チェ・ヨンと視線を絡ませ微笑みあう。見ている事を悟られぬよう慌てて下を俯いていた日々が懐かしい…
________二人の目の前で、黙々と食べるトギ…
大食いのウンスですら大きく口を開け、唖然としていた…これで何杯目であろうか…よほどお腹がすいて居たようである…
「トギ?お腹大丈夫?何杯食べても良いけど…お腹壊さないでね?」
それを聞いたトギは、嬉しそうに頷きながらお替りを頼んでいた……
ようやく落ち着いた様子のトギに筆と硯、そして紙を渡す。
「トギ、言いたいことを紙に書いてくれる?ごめんね?」
トギはわかったと頷いた。
「えっと、病気のお母様はどうされたの…?」
ようやく落ち着いた様子のトギに筆と硯、そして紙を渡す。
「トギ、言いたいことを紙に書いてくれる?ごめんね?」
トギはわかったと頷いた。
「えっと、病気のお母様はどうされたの…?」
ウンスは、聞かなくてもなんとなくわかっていたのだが…敢えて聞いたのである。
トギは泣きそうな顔をしながら、紙に書き出した。
「イムジャ…3月ほど前に亡くなってしまったようです…今まで一人で本貫の地に暮らしていたが、先日…開京へ戻る途中の我らの噂を聞きつけ、すぐに医仙が戻ったのだと気付き、後を追ってきたようです」
「そうなの…トギ一人でよく頑張ったわね…行ってあげられなくてごめん…あら?そう言えばトギのお父様は?」
と、トギの肩に手を置いた。
トギは、父親の事を聞かれると、紙の上から筆が進まず、墨がぽたぽたと紙を汚していく…その様子にただならぬものを感じ、
「トギ、話したくないのなら良いのよ。ごめんなさい、辛いことを聞いてしまったようね」
トギは、ウンスを見つめ首を横に振ると、思い切った様子で紙に書き出した。
「父親は、何?誠か?トギ…辛かったな…」
「どうしたの?何が?」
「トギがまだ小さき頃、凍った湖の上で遊んでおると氷の薄い所があり…割れて冷たい湖に落ちてしまったそうだ。そこを父親に助けられ…父親の方は、そのまま深い湖に今も沈んでいるのだと言う…大声で泣いても叫んでも誰も来てくれず…自分の声など誰にも届かない…こんな己の声など必要ない…父親を死に追いやったのは自分だと…その次の日から…トギは声を殺したんだそうだ…」
聞いていたウンスの目から涙が零れ落ちた…
「トギ…あなた声が…精神的なショックが大きすぎて失声症になってしまっていたのね。ねぇ、聞いてトギ。お父様の事はあなたのせいなんかじゃないわ。だからそんなに自分を責めないで…」
ウンスは泣いてるトギを胸に抱きしめた。いつもチェ・ヨンがしてくれるように、トギの背中を落ち着くまで叩いてあげたのだ。
「ねえ、トギ…帰ってきてくれたって事は、また典医寺で働いてくれるってことよね?違う?」
トギはうんと頷いた。
「良かった!じゃぁ。善は急げよ!王様に頼みに行きましょう!あっ?その前にテヒさんの消毒に行かないと!トギここで待っててくれる?あなた行きましょ?」
********
3人は王様の許可も貰い、トギはめでたく典医寺で今まで通りに働けることになった。
「トギ、良かったわね!前あなたが使っていた部屋を使って!足りないものは紙に書いてくれたら、私が揃えておくわ…それから…驚かないで欲しいんだけど…侍医が少し変わっているの。お尻には気をつけてね?ふふ」
トギが自分のお尻を触りながら、首を傾げ不思議そうな顔をする。
「イムジャ…3月ほど前に亡くなってしまったようです…今まで一人で本貫の地に暮らしていたが、先日…開京へ戻る途中の我らの噂を聞きつけ、すぐに医仙が戻ったのだと気付き、後を追ってきたようです」
「そうなの…トギ一人でよく頑張ったわね…行ってあげられなくてごめん…あら?そう言えばトギのお父様は?」
と、トギの肩に手を置いた。
トギは、父親の事を聞かれると、紙の上から筆が進まず、墨がぽたぽたと紙を汚していく…その様子にただならぬものを感じ、
「トギ、話したくないのなら良いのよ。ごめんなさい、辛いことを聞いてしまったようね」
トギは、ウンスを見つめ首を横に振ると、思い切った様子で紙に書き出した。
「父親は、何?誠か?トギ…辛かったな…」
「どうしたの?何が?」
「トギがまだ小さき頃、凍った湖の上で遊んでおると氷の薄い所があり…割れて冷たい湖に落ちてしまったそうだ。そこを父親に助けられ…父親の方は、そのまま深い湖に今も沈んでいるのだと言う…大声で泣いても叫んでも誰も来てくれず…自分の声など誰にも届かない…こんな己の声など必要ない…父親を死に追いやったのは自分だと…その次の日から…トギは声を殺したんだそうだ…」
聞いていたウンスの目から涙が零れ落ちた…
「トギ…あなた声が…精神的なショックが大きすぎて失声症になってしまっていたのね。ねぇ、聞いてトギ。お父様の事はあなたのせいなんかじゃないわ。だからそんなに自分を責めないで…」
ウンスは泣いてるトギを胸に抱きしめた。いつもチェ・ヨンがしてくれるように、トギの背中を落ち着くまで叩いてあげたのだ。
「ねえ、トギ…帰ってきてくれたって事は、また典医寺で働いてくれるってことよね?違う?」
トギはうんと頷いた。
「良かった!じゃぁ。善は急げよ!王様に頼みに行きましょう!あっ?その前にテヒさんの消毒に行かないと!トギここで待っててくれる?あなた行きましょ?」
********
3人は王様の許可も貰い、トギはめでたく典医寺で今まで通りに働けることになった。
「トギ、良かったわね!前あなたが使っていた部屋を使って!足りないものは紙に書いてくれたら、私が揃えておくわ…それから…驚かないで欲しいんだけど…侍医が少し変わっているの。お尻には気をつけてね?ふふ」
トギが自分のお尻を触りながら、首を傾げ不思議そうな顔をする。
「イムジャ!あなたもだ!全くあの助平爺ときたら!」
「呼んだかえ?」
「きゃ~もう!驚かさないで下さい!あっ!パク先生、この子は前にここで働いていたトギと言うの!またここで働くことになったのでよろしくお願いします!今は話す事が出来ないけど、耳は聞こえているわ!薬草にとっても詳しいの。トギ、この人がパク侍医。少し変わった方だけど凄い方よ…二人とも仲良くね」
「可愛い子じゃのお~…どれどれ…ふ~む…そうか…なるほどの~」
「呼んだかえ?」
「きゃ~もう!驚かさないで下さい!あっ!パク先生、この子は前にここで働いていたトギと言うの!またここで働くことになったのでよろしくお願いします!今は話す事が出来ないけど、耳は聞こえているわ!薬草にとっても詳しいの。トギ、この人がパク侍医。少し変わった方だけど凄い方よ…二人とも仲良くね」
「可愛い子じゃのお~…どれどれ…ふ~む…そうか…なるほどの~」
と、トギの身体を上から下まで眺めている。
「先生!ちょっとこっちに!」
「先生!ちょっとこっちに!」
ウンスが手を引いて外へ連れて行く。もちろんすぐ後をチェ・ヨンが追いかける。
「先生…お願いがあるんだけど……」
「先生…お願いがあるんだけど……」
と、ウンスが話し出した。二人は黙ってその話を聞いていた。
「わかった、お安い御用じゃ!わしに任せておけ!」
「イムジャ…大丈夫ですか?この侍医にそのような事を…トギが怒るのでは?」
「ふふ、試してみる価値はあると思うのよ!一度だけ?ねっ?お願い?」
俺がこの顔に逆らえんことを知ってやっておるのか?この方は…
「はぁ…わかった。じゃぁ侍医頼んだぞ!」
「楽しみじゃな!ふぉふぉふぉ」
_____「トギ!ごめんね。お待たせ!部屋は片付いたわ。どうぞ」
「わかった、お安い御用じゃ!わしに任せておけ!」
「イムジャ…大丈夫ですか?この侍医にそのような事を…トギが怒るのでは?」
「ふふ、試してみる価値はあると思うのよ!一度だけ?ねっ?お願い?」
俺がこの顔に逆らえんことを知ってやっておるのか?この方は…
「はぁ…わかった。じゃぁ侍医頼んだぞ!」
「楽しみじゃな!ふぉふぉふぉ」
_____「トギ!ごめんね。お待たせ!部屋は片付いたわ。どうぞ」
と、侍医に目配せをする。
ニヤッと笑った侍医が、いきなりトギのお尻に触れた!
トギは低い“あ~”という声を振り絞るように出し、振り向きざまに勢い良くバチンと、パク侍医の頬を叩いた!
トギは顔を真っ赤にして怒っている!
「きゃ~!大成功!トギ!声が…あなたの声が…いつか聞けるかもしれないわ!頑張りましょう!」
ウンスはトギの手を取り喜んでいる!
ニヤッと笑った侍医が、いきなりトギのお尻に触れた!
トギは低い“あ~”という声を振り絞るように出し、振り向きざまに勢い良くバチンと、パク侍医の頬を叩いた!
トギは顔を真っ赤にして怒っている!
「きゃ~!大成功!トギ!声が…あなたの声が…いつか聞けるかもしれないわ!頑張りましょう!」
ウンスはトギの手を取り喜んでいる!
「イムジャ…あなたと言う人は…」
我が妻ながら、本当に凄い方だ…
一人、割を食ったのはパク侍医かと思いきや…何故か殴られて喜んでいたのである。
「…わ、わしを…このわしを殴るとは…なかなかの女子じゃのぉ!これからが楽しくなってきおったわい!ふぉふぉふぉ」

イ・ジュンギさん&ミノ




皆様こんにちは
今日は再度御礼を

今日は再度御礼を

いいねが凄いことになっておりまして
感激してます
皆様、本当にたくさんの
感激してます

皆様、本当にたくさんの
元気玉ありがとうございます
過去記事にまでいいねを下さって
本当に嬉しいのですが
わざわざ戻られなくとも大丈夫ですよ
皆様の温かなお気持ち
ちゃんと届いています
ありがとうございます

過去記事にまでいいねを下さって
本当に嬉しいのですが
わざわざ戻られなくとも大丈夫ですよ

皆様の温かなお気持ち

ちゃんと届いています
ありがとうございます

沢山の元気玉を頂き

昨日は深夜3時
まで頑張っていたのですが
ヨンとウンスはまだ<もなか>(最中)で
ございましてなかなか終わりませぬ

ございましてなかなか終わりませぬ
今夜、もしくは日付が変わった辺りに
更新できるかなぁ、どうかなぁ
更新できるかなぁ、どうかなぁ

がっつりとあっさり、はたまたふんわり
どのRがお好みかしら
今ならまだ変更可能
どしどしご意見を

どのRがお好みかしら

今ならまだ変更可能
どしどしご意見を


頂いた元気玉のお礼をと
仕事中に本編をちゃちゃっと書きました
お忘れの方は前のお話からどうぞ
急いで書いたので
誤字脱字変なとこあったら教えて下さい
仕事中に本編をちゃちゃっと書きました
お忘れの方は前のお話からどうぞ

急いで書いたので

誤字脱字変なとこあったら教えて下さい

ね?元気玉いただくと
頑張れちゃうのでございますよ
頑張れちゃうのでございますよ

そしてトギ

過去からのレターにも出てないのに~と
思ったのですが…出しちゃいました
なぜ、トギが他の二次作家様の所にも
あまり出てこないのかと言えば
声が出ないから書きにくいのですヨン
たぶん…
そこは筆談、他の誰かに

そこは筆談、他の誰かに
台詞を言ってもらうことに

トギがウンスの側に
見えますか?
見えたなら大成功かな?

そして、私はトギを話せるようにしたい
小説本に“耳は聞こえているようだ”と
書いてあったのでこれは話せるかも…
とそこから考えたお話です
長くなりました
では
午後からもアジャ

小説本に“耳は聞こえているようだ”と
書いてあったのでこれは話せるかも…

とそこから考えたお話です
長くなりました
では
午後からもアジャ

トイレより愛を込めて

