「はい、周瑜大都督。曹操軍の疫病の遺体と共にこちらの小舟で逃げてこられたようです」
周瑜は二人の目前に歩みより、二人の顔を交互に見る。
「あなた方の事は知っている。天より来られし神と申したそうだな…」
「ふっ…大都督、あながち嘘ではなさそうですよ。私もそのように聞き及んでおります」
「えっ?お二人共…私達の事、ご存知だったのですか?」
ウンスは驚いてチェ・ヨンを見上げる。
「あちらに間者を忍ばせておるのであろう。お主たち…その意味がわかっておるのであろうな?こちらにも、間者がおるということだぞ?」
「ああ、もちろんわかっています。こちらは兵が少なすぎる…情報を制するしかないのです…うまく使っていますよ」
「ふっ…なるほど。俺と同じことをしておる。だが…足元を救われぬよう、上手く使うのだな。いや…そうなれば我らは邪魔であろう」
「あなたは天より来られたと?天にも戦があるのですか?……邪魔でないと言えば嘘になるが…助けを求める者を捨ててはおけません」
「本当ですか?ありがとうございます。…どこの世にも争いはあるわ…それで…あの…私は…」
「知っております。あなたは曹操に大層気に入られてしまったようだ。あの者が数十年欲していた我が妻…小喬よりもあなたを探し出し連れて来いと息巻いておるようです。あなた方は…数日前、山が発光し輝きだした異変とともに現れた…それは事実のようだ。信ずるに値する情報を得ている。そしてあなたは曹操の腹を切り裂き病を治した後、針と糸で腹を縫ったというのも事実なのであろうか?」
ウンスはどこまで話して良いものかとチェ・ヨンを見る。チェ・ヨンは静かにうなづいた。
「そこまでご存知なのですね?はい…色々訳がありまして…曹操の手術…いえ治療をせざるを得ませんでした。天の医術…とでも言いましょうか…確かにお腹を切り裂き、悪い部分を切除した後、針と糸で縫合をしたのです。彼はここで亡くなる宿命では…」
「イムジャ!…その話は今は…他に何か聞きたいことは?その前に着替えさせてくれぬか?あちらの兵の服が小さくてかなわぬ」
孔明と周瑜がちらっと目を合わせる。
「あぁこれは失礼した…では中へ…おい!この方たちの荷と刀をお返ししろ!」
「良いのですか?刀まで…私達を信じて下さったの?」
「ふっそこの方…名はなんと?神にも名があるのであろう?」
「彼はチェ・ヨンと言います。私はウンスよ。宜しくお願いします」
周瑜は、兵から鬼剣を受け取ると鞘から引き抜き、剣を眺め…良く磨がれた刃に指を這わせるとスっと鞘に戻し、チェ・ヨンに渡す。
「チェ・ヨン殿…あなたには刀などあってもなくとも同じのようだ。だがこの刀はとても良く鍛えられ、日々丁寧に手入れもされている。だからお返ししよう。あなたの身体の一部なのでしょう」
「あぁ…俺の師から譲り受けた大切な剣である。この方と我らの生きる国を守るための剣である」
「だからなのですね…あなたからは全く殺気というものが感じられぬ。だが…勝てる気がしない。あとで…お手合わせ願えぬか?」
「ああ構わぬ。俺も楽しみだ」
「孔明殿、彼らを私の家に案内してくれませんか?私は、この遺体の処理を進めなければ…」
「いえ、私もここに残りましょう。誰か他の者に…」
「周瑜さん、孔明さん…私も着替えたら直ぐ戻ってきますね。良いですか?血液と吐瀉物…そして排泄物にさえ気をつけて下さればそんなに怖い疫病ではないし、感染力も殆どないの。でもご心配なら触れた兵達は3日だけ隔離をして下さい。それから一番大切なこと…川の水をそのまま飲んではいけないわ。必ず沸かしてから飲んで下さい。良いですね?もし…感染が広まってしまったら…なかなか止められないわ。大変な事になる」
「わかりました。あなたを信じましょう…おい!皆!聞いたであろう!まず荼毘にふす為の櫓を作るのだ!かなりの数の木が必要であろう!船はこのままで良い!まずは櫓からだ!良いな」
二人が、兵に連れられ周瑜の家に向かうためその場を離れる。
「孔明殿、あの二人どう見る?先ほどウンスとやらは…曹操はまだここで死ぬ宿命ではないと言いかけたようだ…それを男が止めに入った。そうは思わぬか?」
「ふっ…私と同じ事をお考えですか?しかし…そのような夢物語が本当にあるとお思いですか?大都督…」
「ああ…この地には古よりの言い伝えがあるのだ。あの山が光り輝き揺らめく時…天より先の事の読める神が舞い降りると…幾度かそのような事があったのではないかと思う。そして此度も…」
「神…には見えませんが…あの男の方はかなりの腕前と見受けました…。あのウンスと言う女子を守るためなら何の躊躇いもなく辺りを死体の山にする事でしょう…どうします?曹操に見つかるのは時間の問題かと…」
「ああ…そうなのだ。あのように目立つ二人を隠しておくことは出来ぬ。でもこれを上手く使い曹操の力を半減させる事は出来ぬだろうか…少し考えさせてくれ」
「えぇ、私も考えてみましょう」






皆様こんばんは

お待たせ致しました

パラレル18やって参りました

遅くなっちゃってゴメンね

今日はグルっぽのお題で

一日ちまちましてまして

こんなやつをね

雪景色とシンイ

21時過ぎてから書き始めたのです~

ちまちましてるとね

嫌なこととか忘れられるの

それだけに集中できるから

これにはこれを合わそうとか

こっちはどうかなとか

考えるだけで本当に楽しいですヨン








ようやく二人に逢えたウンス
さぁて…
この時代から

曹操の手から

逃げられるのでしょうか

では、お休みなさい













明日も仕事

頑張ろうね

アンニョン


